Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

翻訳『親知実見』#10-3

色法を如実に知見したいのであれば、我々は、物質現象はパーリ語で rūpa-kalāpa(色聚)と呼ばれる所の、極微細の粒子によって構成されている事を、知らねばならない。

色聚は極めて高速に生起し、また壊滅するが、しかし、これは真実の概念法(vijjamānapaññatti)に過ぎず、未だ究極色法(paramattharūpa)ではない。

色法を如実に知見する為には、我々は、色聚の概念を突破しなければならないし(密集の錯覚を看破する事)<注31>)また勝義諦(paramatthasaccā)を見なければならないが、それはすなわち、一粒一粒の色聚を構成する所の、異なる種類の究極色法(paramattharūpa)を見る事である。

仏陀は《大牧牛者経》(Mahāgopālaka Sutta)の中において、一人の比庫が、正しい法と律の中で成長する為には、色法を了知する事が不可欠である、と強調している:

「比庫は如何にして色(rūpaññu)を知るのか?

ここにおいて、比庫たちよ。

比庫は、如何なる色、すべての色は、四大種(cattārimahābhūtāni)と四大種所造色(catunnañca mahābhūtānaṃ upādāyarūpaṃ)であると如実に了知する。

比庫たちよ。この様な比庫は、色を知る。」(M.1.349 )

この種の了知がない場合、仏陀は、当該の比庫は、「この法、この律の中で成長、増広、広大に到達することができない。」と言う。

これは、我々は、28種の色法すべて、すなわち、四大種(mahābhūta)を知見しなければならない事を意味している:

1)地界(pathavīdhātu)

2)水界(āpodhātu)

3)火界(tejodhātu)

4)風界(vāyodhātu)

及び24種類の所造色(upādāyarūpa)で、それは以下の通りである:<注32>

五浄色(pasādarūpa):眼浄色、耳浄色、鼻浄色、舌浄色と身浄色。それらは身体の五種類の根門を構成している。

四境色(gotararūpa):色彩、声(音)、香、味。

食素(ojā)

命根(jīvitindriya)

心色(hadayarūpa):意識(manoviññāṇa)及び相応する依処色。

<翻訳文責:緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>