Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

翻訳『親知実見』#12-4

三、定力の保護

しかし、ただ、深厚な(深くて厚い、重厚な、以下同様)定力を育成するだけでは足りない。というのも、勝義諦に到達する事ができるという事は、甚だ深く、奥妙(奥深く、妙なる事)であると同時に、それは我々が見失ってはならない好機であるが故に。

故に、我々は、あなたが、あなた自身及びあなたの禅修行を保護する為に、あなたがジャーナまたは近行定を証得するまで、四梵住(brahmavihāra)の修習をもまた、指導するものである<注39>;

1)慈心(mettā)の修習でもって、瞋と恚を取り除く;<注40>

2)悲心(karunā)の修習でもって、憎悪と残忍性を取り除く;

3)喜心(muditā)の修習でもって、嫉妬心を取り除く;

4)捨心(upekkhā)の修習でもって、有情への嫌悪と愛着を取り除く。

同様の道理で、我々はまた、ジャーナまたは近行定を証得するまで、あなたに四護衛禅(caturārakkha bhāvanā)<注41>を教導する。

1)慈心(mettā)の修習によって、その他の衆生の迫害からあなたを守る。<注42>

2)仏随念(Buddhānussati)の修習によって、恐懼(恐怖)<注43>とその他の衆生からの迫害からあなたを守る。

3)不浄観(asubhabhāvanā)の修習によって、貪愛と欲望を防ぐ。<注44>

4)死随念(maraṇānussati)の修習によって、禅修行上の怠慢を避ける様にあなたを保護する。悚懼感(saṃvega)でもってあなたを啓発、激励する。<注45>

もし、あなたがすでにジャーナまたは近行定を育成してあるならば、あなたがこれらの業処を修習するのはに、多くの時間を必要としないであろう。

<翻訳文責:緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>