南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

翻訳『親知実見』#12-5

四 勝義諦への通達(到達)

究極色法への通達

もし、あなたが止乗者で、強くて力のある禅定を擁し、かつ、それを適切に保護する事ができるならば、我々は、あなたに、四界差別(四界分別、catudhātuvavatthāna)<注47>によって、色法を如実に知見する方法を教導するであろう。

しかし、あなたが、止の修習に向かう事なく、ただ近行定を育成するのを希望するならば、あなたは、直接四界差別の修習を直ちに始める事ができる。

我々は、先に、色法の識別を教導するのは、幾つかの理由がある。

一つは、色法を識別するという事は、非常に精緻で、奥深い事柄である事、色法の生・滅の回数は、毎秒毎に十数億回であったとしても、その生・滅は、それでも、名法の速さには及ばない。

この事は、あなたが、色法の奥深い識別を完了してのち、初めて、これよりも更に奥深い名法を、容易に識別する事できるようになる、という事を意味している。

もう一つの理由は、名法は色法に依存して生起する為、禅修行者が、生起するために心識が依存した所の具体的な名法を見る事ができないのであれば、あなたは、根本的に、名法を見る事が全くできないからである。

名法を見る為には、禅修行者は、その生起を見る必要があるのである。<注48>

四界分別を修習する事はすなわち、物質現象の中の四界を識別する事を意味しているが、それはすなわち、あなた自身の色法から開始するのであるが、それはすなわち、仏陀の言う所の、内(ajjhatta)の色から始めるのである。

仏陀は《大念処經》(Mahāsatipaṭṭāna Sutta)<注49>の中において、以下の様に、四界差別を教導する:

  <翻訳文責:緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>