なぜ禅修行をしなければならないか?
先に、我々は、己自身に問うべきである:
「仏陀はなぜ禅修行を教導したのか?」または
「禅修行の目的とは何か?」
仏教の禅修行の目標は、涅槃(NIbbāna)を証悟す事にある。
涅槃とは、名法(nāma)と色法(rūpa)の止息である。
故に、涅槃を証悟する為に、我々は無貪、無瞋、無痴を根とする善思と、貪、瞋、痴を根とする不善名法を完全に滅しなければならない。これらすべては、おしなべて輪転して止まない生、老、病、死を引き起こすが故に。
もし、聖道(ariyamagga)によって、完全にそれらを滅することができたならば、我々は涅槃を証悟する事ができる。
言い換えれば、涅槃とは生死輪廻(samsāra)の諸々の苦から解脱する事であり、それは生、老、病、死の滅である。
我々は皆、生、老、病、死の苦を受けており、各種の苦から解脱する為に、我々は、禅の修行を実践しなければならない。
諸々の苦から解脱したいという希望に鑑み、我々は、涅槃を証悟する為に、どの様にして禅の修行を実践しなければならないかを、学ばなければならない。