南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

翻訳『親知実見』#17-6

次に、もし、定が強くて、精進が弱い時、この人は、怠惰になってしまう。例えば、禅修行者の定力が向上した時、彼は、リラックスした気楽な気持ちで入出息似相に専注する様になって、それを明確に覚知する事がない為に、怠惰になる可能性がある。

この様な状況の下では、五禅支は強度が不足し、その為に、高度な定力を維持する事ができなくなる。

この事は、彼の心は、有分に落ち込む事を意味する。

しかしながら、もし、精進が強くて、定が弱い時、彼は躁動、不安になる。唯一、定と精進にバランスがとれている時にのみ、彼は、怠惰でもなく、躁動でもなく、かつ、ジャーナを成就させることができる。

止業処を修習したいと希望する人にとって、非常に堅固な信心(=確信)を持つことは、どの様な時にでも、良い事ではなる。

若し、彼が:「私が入出息似相に対して定力を育成しさえしたならば、私は必ずやジャーナに到達する事が出来るに違いない!」

と思うなら、信心(=確信)の力と、似相への専注によって、彼はジャーナを成就することができる、というのも、ジャーナは専注に基づくが故に。

<翻訳文責:緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>