翻訳『親知実見』#20-13
二番目の蓋は、瞋恚(byāpāda)であり、それは、人または物への憎悪、怨恨または不満である。
例えば、あなたの傍にいる修行者が、座席に座る時、袈裟がガサガサと音を立てたならば、あなたは怒りに満ちて以下の様に考える:
「フン、彼はなぜ、こんなに大きな音を立てるのだ!」
その結果、あなたの心は怨恨、憎悪または不満に征服されて、あなたは禅修行の所縁に落ち着いて専注する事ができなくなる。
三番目の蓋は、昏沈睡眠(thīna-middha)である。もし、心の力が微弱または、禅修行の所縁に対して興味を覚えない時、昏沈、睡眠が発生する。
しかしながら、昏沈は、疲労、疾病、休息の不足が原因である場合もある。
第四番目の蓋は、掉挙後悔(uddhacca-kukkucca)である。もしあなたの心が躁動して不安な時(掉挙)、それは、灰の山に一個の石を放り入れた時、灰があちらこちらに飛び散る様に、あなたの心も散乱する。
禅修行の時、あなたは、あなたの心が、禅修行の所縁から離れない様、心がばらけない様に、気を付けなければならない。
もし、あなたの心がばらけるならば、掉挙は発生する。
後悔は、過去にあなたがなした悪い事、または良い事をしなかった事に対して、後悔の念を覚える事をいう。
この様な時、あなたは、上に述べたのと同じ様に、強くて力のある正念を発揮して、かつ、掉挙と後悔が生起するのを阻止しなければならない。
<翻訳文責:緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>