南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

翻訳『親知実見』#20-13

二番目の蓋は、瞋恚(byāpāda)であり、それは、人または物への憎悪、怨恨または不満である。

例えば、あなたの傍にいる修行者が、座席に座る時、袈裟がガサガサと音を立てたならば、あなたは怒りに満ちて以下の様に考える:

「フン、彼はなぜ、こんなに大きな音を立てるのだ!」

その結果、あなたの心は怨恨、憎悪または不満に征服されて、あなたは禅修行の所縁に落ち着いて専注する事ができなくなる。

三番目の蓋は、昏沈睡眠(thīna-middha)である。もし、心の力が微弱または、禅修行の所縁に対して興味を覚えない時、昏沈、睡眠が発生する。

しかしながら、昏沈は、疲労、疾病、休息の不足が原因である場合もある。

第四番目の蓋は、掉挙後悔(uddhacca-kukkucca)である。もしあなたの心が躁動して不安な時(掉挙)、それは、灰の山に一個の石を放り入れた時、灰があちらこちらに飛び散る様に、あなたの心も散乱する。

禅修行の時、あなたは、あなたの心が、禅修行の所縁から離れない様、心がばらけない様に、気を付けなければならない。

もし、あなたの心がばらけるならば、掉挙は発生する。

後悔は、過去にあなたがなした悪い事、または良い事をしなかった事に対して、後悔の念を覚える事をいう。

この様な時、あなたは、上に述べたのと同じ様に、強くて力のある正念を発揮して、かつ、掉挙と後悔が生起するのを阻止しなければならない。

<翻訳文責:緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>