Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

翻訳『親知実見』#29-2

如何にして慈を修習するか

慈梵住を修習したいのであれば、先に注意を払わねばならないのは、個別の異性(Liṅgavisabhāga)及び死者(kālakata-puggala)を対象として、慈を修習してはならない、という事である。

単独の異性を所縁としてはならない。というのも、貪欲が生起する可能性があるが故に。

しかしながら、ジャーナを証得した後であれば、異性全体を対象にして、慈を修習する事はできる。

例えば:「一切の女性は、皆楽しくあれ!」という風に。

いついかなる時においても、死者に対して慈を修習してはならない。というのも、死者を所縁に取ると、慈心ジャーナを証得する事ができないが故に。

以下の四種類の人に対して慈の修習をする:

1)己自身(atta)

2)好ましく思い、かつ尊敬する人(piya-puggala)

3)愛憎のない中立的な人(majjhatta-puggala)

4)嫌いな人(verī-puggala)。

しかしながら、修習を始めたばかりの時、あなたは、二種類の人、すなわち、あなた自身と、あなたが好ましく思い、かつ尊敬できる人を対象に慈を修習するのがよい。

その意味は、修習を始めたばかりの頃は、以下の幾種類の人に対して慈の修習をしてはならない、という事である:

好ましくない人(appiya-puggala)

極めて親愛な人(atippiyasahāyaka-puggala)

あなたが嫌っている人(verī-puggala)。

<翻訳文責:緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>