南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

翻訳『親知実見』#29-12

如何にして無限界と有限界慈心遍満を修習するか

この種の慈愛の放散(散布)の仕方を修行する為に、上に述べた様に、あなたは、白遍によって第四禅を復習して、定に入らなければならない。

その後、己自身に、尊敬する人、親愛な人、中立的な人、嫌いな人に対して、あなたと彼らの間の限界が突破されるまで、慈愛を散布する。

次に、明瞭(明亮)で、燦々と輝く光明を運用して、出来るだけの広い範囲で、あなたの周囲の建築物または寺院の区域内のすべての衆生を照らす。

彼らをはっきりと明瞭に見た後、あなたは五種類の無限界と七種類の有限界、合計12種類の方法を用いて彼らに向かって慈愛を散布する。

あなたは、四種類の方式でもって、一種類毎の衆生に対して、慈愛を遍満する:

1)彼らが危難を免れます様に

2)彼らに心内の痛苦がない様に

3)彼らに身体の痛苦がない様に

4)彼らが安穏で安楽である様に

ここでいう「彼ら」は12種類の中の、一種類毎を指すのであり、それはすなわち、一切の有情、一切の諸々の天(人)等などである。

この様に、あなたは合計48種類【(5+7)*4=48】の方式でもって、慈愛を遍満する。

一種類毎の衆生は、必ず、智慧の光の光明に照らされた状況の下、明晰に見る事ができていなければならない。

例えば、一切の女性に向けて慈愛を放散する時、あなたは、あなたが決意した範囲の内、光耀く光明の中において、女性をば、確実に、実際に、見なければならない。

あなたは、あなたが決意した範囲の内の、男性、諸天、堕悪趣者等<注134>を、確実に、実際に見なければならない。

あなたは、一種類毎の対象に対して、第三禅に到達するまで慈心を修行し、その後に、初めて、次の一種類の対象に対して、慈心の修行をする。

あなたはこの種の方法でもって、48種類すべての慈心遍満を修習しなければならない。

これらに熟練した後、あなたは、決意の範囲を徐々に拡大していき、それが寺院全体、村全体、町全体、州省全体、国家全体、世界全体、太陽系全体、銀河系全体、乃至は無辺の宇宙まで含む様にする。

毎回、範囲を拡大していくが、その時、48種類すべての方式でもって、第三禅に到達するまで慈心を修する。

一たび熟練したならば、更に一歩進んで、十方遍満を修行することができる。

覚書:校正者様へ:これまで文中に出てくる<散布>は、<放散>に変換する??

<翻訳文責:緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>