南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

翻訳『親知実見』#29-13

如何にして十方遍満を修習するか

十方遍満慈心は、前に述べた、48種類の方式を成就した後、それを運用して、十の方向のそれぞれ、一つひとつの方向に慈心を遍満させるものである。

あなたは、東方に存在する無辺の宇宙の全ての衆生を(実際に)見ることができなければならない。

(彼らを実際に)見て後、48種類の方式によって、彼らに慈愛を散布する。

次に同様の方法でもって、西方、またその他の方向に存在する衆生に対して、慈を修習する。

この様に、慈愛を散布する方式は、合計480種類(48*10=480)。この上更に、先の48種類の遍満を加えると、総合計で、528種類(480+48=528)の慈愛散布の方式がある事が分かる。

一たび、この528種類の慈愛を遍満させる方式に熟練し、掌握したならば、あなたは、仏陀が《増支部》(Aṅguttaranikāya)において説明されている所の、慈心を修習する11種類の利益を体験することができる:

「比庫たちよ。

慈心解脱において、習行し(習慣的に実践する)、修習し、多作し(多く実践する)、習慣にし、(活動の)基本となし、実行し、熟練し、善く精勤する者は、11種類の功徳を期待することができる。

どの様な、11種類であるか?

(1)睡眠が安楽である

(2)目覚めて楽しい

(3)悪夢を見ない

(4)人々に愛される

(5)非人(=天人など)に愛される

(6)諸天が守護する

(7)火、毒、刀によって傷害されることがない

(8)心が迅速に定を得る

(9)容貌が明浄である

(10)臨終において、混迷しない

(11)上位に通達しない場合でも、梵天界に至ることができる。

<翻訳文責:緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>