南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

翻訳『親知実見』#31-4

3)似相:定力が相当に強く安定し、更に力の強いものに変化した時、取相は、似相に変化する。似相は通常、明けの明星の様に清らかで、明亮(明瞭)で、燦然としている。上の場合も同様で、心想が変化する時、禅相も変化する。

定力が強くて力のある様に変った時、もし、禅修行者が、

禅相を長くしようと思えば、それは長くなるし;

短くしようと思えば、短くなる;

ルビー色にしようと思えば、ルビー色になる。

《清浄之道》では、修行者はこの様な事をしてはならない、と言う。<注144>

もし、この様にすれば、たとえ非常に深い定力であっても、徐々に弱くなってしまう。

これは、彼の異なった心想によって、異なる所縁が生じるが故である。

故に、禅修行者は、禅相を弄んではならない。もし、弄ぶならば、彼はジャーナに到達することができない。

似相に専注する初期の段階では、定力と修行は、なお、予備定と予備修習(のレベル)である。しかし、ジャーナに近くなった時、それは近行定と近行修習になる。

安止が生起する時、禅相は依然として似相であるが、しかし、この時の定力は安止定であり、修行は安止修習となる

<翻訳文責:緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>