Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

翻訳『親知実見』#31-9

問3-4:四種類のジャーナの、その一つひとつのジャーナは、それぞれ近行定と安止定が含まれますか?それらにはどの様な特徴がありますか?

答3-4:ここでは、入出息似相を所縁として取る入出息ジャーナを例にして説明する。

それらは、四種類のレベルの近行定と四種類のレベルの安止定に分けることができる。

一つひとつのレベルには、先に近行定があり、後に安止定がある。両者は、共に、入出息似相を所縁としているが、それらにおける、定力の強度が異なっている。

初禅、第二禅と第三禅はの近行定は、それぞれ五個の禅支があるが、しかし、第四禅の近行定には、喜(pīti)がなく、尋(vitakka)、伺(vicāra)、捨(upekkhā)と一境性(ekaggatā)という、四個の禅支が存在する。

それらは、同一の禅相を所縁にとってはいるものの、しかし、一つひとつ近行定の、その禅支の力量、レベルより、更に強化されるものである。

初禅近行定の諸禅支は、身体の苦受(kāyika-dikkhavedanā)を鎮伏する;

第二禅近行定は、憂受(domanassa-vedanā)を鎮伏する;

第三禅近行定は、身体の楽受(kāyikasukha-vedanā)を鎮伏する;

第四禅近行定は、悦受(somanassavedanā)を鎮伏する。

これは、我々が、異なるレベルの近行定を区別する基準、特に、第四禅近行定の基準である。

第四禅近行定」においては、呼吸はほぼ停止状態と言えるほど、極めて微細になり、第四禅安止定では、呼吸は、完全に停止する。

我々はまた、禅支を検査する事を通して、安止定のレベルを区分することができる。

初禅安止定は、五禅支を擁しているが、それは

尋・伺・喜・楽・一境性、である。

第二禅は三個:

喜・楽・一境性。

第三禅は二個:

楽・一境性。

第四禅も二個:

捨、一境性。

禅支の検査を通して、我々は、

「これは初禅安止定である」

「これは第二禅安止定である」

等などと言うことが出来る。

同時に、定力もまた、段階ごとに、強化される。

第四禅の定力が最高である。

何故、その様に言えのるか?

あなたは、己自ら、体験する様にチャンレンジするべきである。

多くの禅修行者は、皆、第四禅は最も殊勝で、最も寂静である、という報告をする。

<翻訳文責:緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>