Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

翻訳『親知実見』Knowing and Seeing #31-15

問3-9:四界差別の修習において、12種類の特徴を識別する時、必ず、硬さ、粗さ、重さという順番を守って修行しなければならないのでしょうか?禅修行者は、その他の、任意の一種類の特徴を選んで、修行を開始してもよいですか?

答3-9:修行を始めたばかりの頃、我々は、一つの、容易に識別できる特徴を選んで、それから始めることができる。一たび、容易に、明晰に、すべての特徴を識別できる様になったならば、仏陀の教導した順序を遵守しなければならない:すなわち;

地界(pathavī-dhātu)、

水界(āpodhātu)、

火界(tejodhātu)、

風界(vāyodhātu)。

というのも、この種の順序は、強くて力のある定力を生じさせることができるからである。

我々が、色聚を見ることができる時、かつ、容易に、一粒一粒毎の、色聚の中の四界を識別できた後であれば、当該の順序は重要でなくなる。重要なのは、それらを同時に識別できるかどうか、という事である。

何故であるか?

色聚の寿命は非常に短く、10億分の一秒にも満たないと思える。色聚の中の四界を識別する時、「地、水、火、風」と唱える時間は、ない。

故に、我々は、それらを同時に識別しなければならないのである。

<翻訳文責:緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>