Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

般若の独り言~泰然自若

先日、老人向け体操教室での会話。

90歳のおばあさん(Aさん)

「私、メガネかけなくても、新聞が読めます」

私 「私も、眼鏡なしで、新聞、読めますよ」

もう一人のおばあさん(Bさん)

「90歳のおばあさんが、眼鏡なしで新聞読めるのはすばらしいけれど、70歳のあなたじゃ、偉くもなんともない」

私「・・・(意地悪な言い方だなぁ)」

(不機嫌にならず、にっこり笑って、流す・・・)

でも、これって、承認欲求ですね、Aさんも私も。

どんなに年をとっても、他人に認められたい、褒められたい、マウント取りたい・・・業ですねぇ。

若い時に読んだ禅宗系の仏教書によく <泰然自若> という言葉が出て来て、その時は、何を意味しているのかよく分かりませんでしたが、最近ようやく、分かる気がしてきました。

承認欲求という、他者依存の甘々の精神状態を卒業して、独り、自律した人生を楽しむ・・・独りというのは、誰かと一緒に住んでいるかどうかではなく、精神的な意味ですけれど。

他人に褒められた時の、甘美な気持ち、諸々の毀誉褒貶に執着することなく(注1)、いつも、ヒラヒラ・サラサラと、空の雲、川の流れの様な、<雲水> の様に泰然自若・・・爽やかに。

(注1)褒められたことが嬉しい、のはOKですが、その甘美的な心境に執着することなく、瞬間瞬間に、放下する、手放す。人間の性として、楽受を手放すのは、結構難しい。ゴータマ仏陀は、蜂は甘い蜜を吸うけれど、花そのものには執着しない、蜂を見習え、といいます。)

<緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayala般若精舎>y