Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

翻訳『親知実見』#33-12

時節生色

時節生色(utuja rūpa)は、八法聚によって構成されている。それらの食素は、時節生食素(utuja ojā)であり、すべての色聚の中においてかの第三界ーー火界(tejo dhātu)<注174>から源を発している。

すべての色聚の中の、火界は、みな、時節生色聚を生じせしめる事ができ、これらの新しい色聚はの中の火界は、また、新しい時節生色聚を生じる事が出来、新しい色聚の中には、また火界が存在していている等など。<注175>。

その力量に応じて、火界は斯くの如くに、多くの代の色法を生じることができるのである。

すべての、命の無い物質は、みな、火界によって生まれ、維持されている。

植物は、非常によい例であって、それらの色法は、時節生色に属し、元々は、種の中にあった火界によって生じるのである。

それらの成長は、ただ、一代また一代の時節生色が相続的に生起する現象である。それは土壌、太陽(熱)と水(冷たさ)の火界の支援を必要としている。

例えば、石、金属、鉱物と硬木の中の火界は、非常に強力であり、非常に多くの代の色法を生じることができる。

故に、これらの物質は、非常に長い時間存在することができる。しかし、軟木、柔かい植物、肉、食べ物と水中の火界は非常に弱い為、非常に多くの代の色法を生じるせしめる事ができないが故に、これらの物質は、非常に速くに変化して壊滅する。物質の変化と壊滅は、その中の火界が、二度と新しい色法を生じないが為であり、代を経て、自身を消費しつくす。すなわち、物質はそれゆえに腐乱し、離散し、分解するのである。

物質が火によって焼かれた時、例えば、薪が燃焼する時、内内在する物質(薪)の火界は、外在する物質の火界(薪を燃焼せしめる炎)の支援の下、大量の火界を発出するが、この時、火界が主導する事によって、物質が焼き尽くされるのである

<翻訳文責:緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>