如何にして四界差別を修習するか
パーリ聖典には、二種類の四界差別の修習方法が書かれている:簡略法と詳細法である。
簡略法は、智慧の鋭い者に適し、簡略法の修習に困難を覚える者は、詳細法を選ぶことができる。
仏陀は《大念処經》の中において教導したのは、簡略法である:
「比庫は、この様に立ち、この様に処し、界によって、この身体を観察する:『この身体において、以下のものがある
[1]地界(pathavī dhātu)
[2]水界(āpo dhātu)
[3]火界(tejo dhātu)
[4]風界(vāyo dhātu)。』 」
《清浄之道・四界差別修習》においては、更に一歩進んで、以下の様に解説する:
「この業処を修習したい鋭い智慧を擁する者は、静かな場所に行って禅坐し、己自身の色身全体を思惟する:
『この身において、
[1]堅固性または粗さは地界、
[2]粘着性または流動性は水界、
[3]遍熟性または熱性は火界、
[4]支持性または推進性は風界。』<注178>
彼は、この様に簡略的に諸々の界を把握し、何度も繰り返して思惟・作意及び『地界、水界、火界、風界』を観察し、有情はない、霊魂はない(と知る)。
この様に精進すれば、久しからずして、諸々の界を識別する智慧と、それらの区別を知る智慧によって増強された定が生じる。
(上述の定は)自性法を所縁としている為に、安止を証得する事はできないものの、近行定であれば、生起することができる。
<翻訳文責: 緬甸パオ森林寺院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>