南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

rzsr様コメントへの回答ー2

rzsr様の

「縁起」、「名色分別」の修行とは何か?

いうご質問にお答えします。

「縁起」の修行は、己自身の過去世を振り返って確認する修行です。

その前に、サマタ(止禅)の修行をして、初禅(またはそれ以上、四禅を証得していると、なお良い)を証得しておく必要があります。

初禅(初禅~四禅)に入れる人は、その定力でもって、心臓にある <有分>(<心基>、<意門>と呼ぶ場合もあります)を観察することができ、更に進んで、己自身の過去世を確認することができます(さらに進んで修行すれば、他人の過去世も見ることができる様になりますが、この場合、禅定の力が相当高く要求されるでしょう。)

「名色分別」は、名と色が別々のものである事を観察する修行です。

名=心・心所=心の活動=受、想、行、識

色=身体(物質) or 外部に存在する物質

を意味します

名色分別は、特に、心的活動と、身体の物質的存在状況(注1)とを、混同しない智慧を、観察を通して、育てる事です。

経典とアビダンマに基づいた修行方法(いわゆる、パオ・メソッド)では、まず、40種類の業処から一つ(または複数)を選んで、サマタの修行をします。

その結果として、初禅または初禅以上、理想を言えば、四禅まで習熟しますと、「縁起」と「名色分別」の修行に進むことができます。

「縁起」と「名色分別」という、この二者の修習のレベルは、共に、サマタ(止禅)と vipassanā(観禅) の混合のレベル、ということになります。

 

注1=身体は、色聚(素粒子に近い微細な粒子)で構成されています。

一つひとつの色聚を、細かく観察しますと、地、水、火、風、色彩、匂い、味と栄養素の八種類の色法が基本になっている事が分かりますが(八法聚)、その上に、九法聚、10法聚と増えて行きます。

これら(身・心)の色法と心法の、無常・苦・無我、刹那生滅等を観察するのは、純粋な vipassanā(観禅) のレベルとなります。純粋な vipassanā の修習において得られる、16種類の智慧

<16観智>と呼びます。

 

分からない事がありましたら、また、ご質問下さい。

<回答-1>に書きました様に、PCの調子が悪いので、回答に時間を頂く場合もあるかも知れません。あしからず。

<緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>