先日、年寄りの集まりでの事。
あと何年かしたら、目出度く100歳になろうかという
お婆さんが、
「私は色が黒くて恥ずかしい」
と言うのです。
この人は、農家の方で、若い頃からずっと、外で仕事をしてきたわけですから、日に焼けて、お顔が黒いのも、当然なのですが・・・。
では、貴女のお顔、白ければ嬉しいですか?
という命題。
白い黒いは、二元論なのですね。
私は以前、仕事の関係で、中国とロシアの国境を流れる河で、遊覧船に乗って、ロシア側の岸辺まで行ったのですが、その時、遠目ながらに目に入った<ロシア人少女>の顔の白い事、白い事、もう吃驚しました、透き通る様に白いです。
で、あなたのお顔、白ければ白いほど嬉しいのですか?
と言う質問なのですが・・・、
実は、私たちの顔、いや、身体(及び、外部にある山や木、家や家具など、すべての物質)は、刹那に生・滅していて、捉えどころがないのです。
刹那生・滅というのは、パオ・セヤドーの説明では、一秒毎に10億回生・滅している、との事ですが、これは
ゴータマ仏陀が見つけられた法則で、私たち凡夫だと、そこまでの速さに気が付くことはできませんが(慧眼がない、動体視力が極度に悪い為)、それでも、修行していると、少し分かってきます、刹那生・滅が・・・。
で、自分の身体が生・滅するのを見ていると、白も黒もないのですね、太ってる・痩せている、美人・不美人、そんなものはありません・・・世の中の物すべて、端から消えていくのですから・・・・
我々は、二元論を超えて生きることができる・・・そこに安らぎがあると思います。
追記:
色の黒い人、黒人を差別するのは別の問題、歴史的な搾取と抑圧の問題で、世間諦(世俗の真理)と出世間諦(世俗を離れた高度な真理)を、混同してはなりませんが。
<緬甸パオ森林寺院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>