南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

般若の独り言~二元論を超えて

先日、年寄りの集まりでの事。

あと何年かしたら、目出度く100歳になろうかという

お婆さんが、

「私は色が黒くて恥ずかしい」

と言うのです。

この人は、農家の方で、若い頃からずっと、外で仕事をしてきたわけですから、日に焼けて、お顔が黒いのも、当然なのですが・・・。

では、貴女のお顔、白ければ嬉しいですか?

という命題。

白い黒いは、二元論なのですね。

私は以前、仕事の関係で、中国とロシアの国境を流れる河で、遊覧船に乗って、ロシア側の岸辺まで行ったのですが、その時、遠目ながらに目に入った<ロシア人少女>の顔の白い事、白い事、もう吃驚しました、透き通る様に白いです。

で、あなたのお顔、白ければ白いほど嬉しいのですか?

と言う質問なのですが・・・、

実は、私たちの顔、いや、身体(及び、外部にある山や木、家や家具など、すべての物質)は、刹那に生・滅していて、捉えどころがないのです。

刹那生・滅というのは、パオ・セヤドーの説明では、一秒毎に10億回生・滅している、との事ですが、これは

ゴータマ仏陀が見つけられた法則で、私たち凡夫だと、そこまでの速さに気が付くことはできませんが(慧眼がない、動体視力が極度に悪い為)、それでも、修行していると、少し分かってきます、刹那生・滅が・・・。

で、自分の身体が生・滅するのを見ていると、白も黒もないのですね、太ってる・痩せている、美人・不美人、そんなものはありません・・・世の中の物すべて、端から消えていくのですから・・・・

我々は、二元論を超えて生きることができる・・・そこに安らぎがあると思います。

追記:

色の黒い人、黒人を差別するのは別の問題、歴史的な搾取と抑圧の問題で、世間諦(世俗の真理)と出世間諦(世俗を離れた高度な真理)を、混同してはなりませんが。

 <緬甸パオ森林寺院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>