Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

翻訳『親知実見』Knowing and Seeing #33-30

上に述べた事柄は、我々が、パオ禅林(パオ森林僧院)において教導している所の順序であるーー諸界を逐一識別する事。

経典において、同時にすべての諸界を識別しなければならない、と述べているが、しかし、それらの作者は、熟練した禅修行者であり、対象となる読者もまた、みな、熟練した修行者である。

色法の諸界を識別する事は、極めて奥深い(行為である)が故に、初心者の観智の力は、通常、いまなお、すべての諸界を同時に見るというには、充分強力な力を有さない。

そのため、我々は、彼らに対して、先に、逐一、一か所づつ、諸界を識別して、容易(な修行)から難度を上げていく様にしているのである。

彼らの修習が、非常に熟練した時、一粒の色聚の中の、すべての四界(八つの特徴)<注190>を、同時に、見ることができる様になるのである。

あなたが、すでに、単一の、一粒の明浄色聚と、単一の、一粒の非明浄色聚の中の四界を見る事ができるならば、それは止(サマタ)の修習の終結であり、心清浄(Citta-visuddhi)の終点であり、また、観の修習の始まりであり、見清浄(Diṭṭhi-visuddhi)の始まりであり、また、究極名色法(ñāmarūpa-pariggaha)の識別の始まりであると同時に、究極名色法の分析(ñāmarūpa-pariccheda)の始まりでもある。

これが、四界差別(の修習)が、止(サマタ)と観(vipassanā)の両者を含む理由である。

(上記の修習に)成功した後、次には、順序よく、眼処、耳処、鼻処、舌処、身処と心処という、この六依処の中において、更に多くの明浄色聚と非明浄色聚の中の四界を識別しなければならない。。

上に述べた通り、明浄色聚と非明浄色聚には、みな、八種類の、最も基本的な色法が含まれている。

今、あなたは、すでに、この四種類を識別したのであるから、次に、引き続き、残りの四種類を識別しなければならない:色彩、香、味と栄養素である。

しかし、識別を開始する前、我々は先に、この四界を識別する為の、一般的な順序を解説したいと思う。

<翻訳文責:緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>