南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

翻訳『親知実見』#33-32(206/446)

如何にして色彩を識別するか

色彩(vaṇṇa)は、五番目の識別されなければならない色法である。それは、視覚の所縁(rūparammaṇa)であって、すべての色聚の中において、存在している。

それは意識によって、非常に容易に単独に、識知される。

というのも、色聚を見ることができた、という事はすなわち、あなたはすでに色彩を見たのだと、表明することができるが故に。

色彩は、永遠に、物体の色彩であり、当該の物体は、すなわち、四界なのである。<注194>。

如何にして香を識別するか

香(gandha)は、識別されなければならない、六番目の色法である。それは臭覚の所縁(gandhārammaṇa)であり、同様に、すべての色聚の中に存在している。

終生、鼻でもって臭いを嗅ぐ習慣を持っているが故に、識別の修習を始めたばかりの頃、あなたは、意識でもって、香を認知する時、鼻識を借りて、それを支援しなければならない。

この事を実践する為に、あなたは先に、この二種類の識が依存している所の色法、すなわち、鼻浄色と心処色を識別しなければならない。

鼻浄色は、鼻10法聚の中の、10番目の色法であり、心処色は、心10法聚の中の第10番目の色法である。

鼻浄色を見つける為に、先に、鼻の中における四界を識別しなければならない。しかし、鼻の中で見つけたのは、鼻依処を擁する所の10法聚である事を確定する必要がある。

それは、身依処を擁する10法聚ではなく、唯一、鼻10法聚のみ、鼻浄色を擁しているのである(が故に)。

次に、心処色を見つけなければならない。

あなたは、明瞭(明亮)で、光明な、光輝く、意門(有分)<注195>を識別しなければならない。

あなたはすでに、六依処の明浄色聚と非明浄色聚の中の四界を識別したことがあるが故に、上記の事柄を実践するのは、容易である。

すでに、鼻浄色(鼻門)と有分(意門)を識別したので、次に、識別した所の、浄色の鼻10法聚付近において、一粒の色聚の香を識別する。

あなたは、香が、鼻門と意門を同時に衝撃するのを、見るであろう。

<翻訳文責:緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>