Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

翻訳『親知実見』#33-41

 如何にして心生色法を識別するか

本講話の中の「はじめに」で説明<注206>した様に、結生心を除いて、一つひとつの、心処色に依存して生起した所の心識は、皆等しく、大量の心生食素八法聚(cittaja ojaṭṭamaka kalāpa)を生じせしめる。それらは非明浄で、かつ、全身に分布している。

故に、もし、あなたが有分に専注するならば、あなたは、多くの、心処色に依存した心識が、不断に色聚を産しているのを、見るであろう。もし、明晰に見ることができないのであれば、再度、有分に専注して、かつ、あなたの指を動かしてみる。この様にすれば、あなたは、心が、指を動かしたいと思う事によって、大量の色聚が産じられるという現象、また、これらの色聚は、身体のどの様な場所にも生じるのを、見ることができるであろう。

 如何にして時節生色を識別するか

「はじめに」<注207>に述べた如くに、火界(tejo)はまた「時節」(utu)とも呼び、すべての色聚の中において存在する。すべての色聚の中の火界は、時節生食素八法聚(utuja ojaṭṭhamaka kalāpa)を生じせしめる。

それら自身には、また、火界を含有しており、当該の火界は、また、新しい代の時節生食素八法聚を生じることができる。あなたは、一つひとつの感官において、一つひとつの類型の色聚における、この様な再生の過程を見なければならない。

例えば、先に、一粒の眼10法聚の中の火界を識別し、その後に、それが時節生食素八法聚を生じせしめるのを見るのである:これが第一代目である。次に、第一代目の時節生食素八法聚の中の火界を識別して、かつ、それが同じく、新しい色聚を生じせしめるのを見る;これが第二代目である。この様にして、眼10法聚(それ自身は業生色に属する)<注208>の中の火界が、四または五代の色聚を生じることができるのを見ることができるが、具体的に何代の色聚を生じせしめることができるかは、食物と業の力に依る。<注209>。

あなたは、一つひとつの感官の中において、一つひとつの類型の色聚毎に、この種の再生の過程を見なければならないと同時に、かつ、己自身自ら、一つひとつの種類の色聚が、何代の時節生食素八法聚を生じせしめることができるかを、見なければならない。

<翻訳文責:緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>