Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

翻訳『親知実見』#39-9

例えば、シャーリプトラ尊者は、約二週間の時間をかけて、禅の修習に励み、結果、阿羅漢道果を証悟した。

マハーモッガラーナ尊者は、僅か7日間であったが、バーヒヤダールチーリヤ(Bāhiya Dārucīriya)は、ただ、非常に短い、簡単な開示 

”Diṭṭhe diṭṭhamattaṃ”(見るとは、ただ見るだけ)<注299>

を聞くだけで充分であった。

彼らの阿羅漢を証悟する速度は、彼ら各々のハラミツによるのである。

シャーリープトラ尊者とマハーモッガラーナ尊者が累積したハラミツは、一個の不可数(asṅkhyeyya)と10万大劫(kappa)であり、バーヒヤは、約10万大劫であった。

シャーリプトラ尊者とマハーモッガラーナ尊者の阿羅漢道は、上首(上席)弟子菩提智(Aggasāvaka-bodhiñāṇa)と相応し、バーヒヤの阿羅漢道は、大弟子菩提智(Mahāsāvaka-bodhiñāṇa)に相応する。

上首弟子の菩提智は、大弟子の菩提智より高いのである。<注300>。

涅槃を証悟する為の道は、一本しかない為、これらの弟子は、発願しただけで阿羅漢を証悟した訳ではなく、彼らが阿羅漢を証悟したのは、今生の精進が、過去世の精進(ハラミツ)の支援を受け得たが故なのである。

<翻訳文責:緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>