南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

翻訳『親知実見』41-1

第六講 如何にして縁起の連結を透視するか

はじめに

前の法話では、我々は、如何にして名法(nāma)を識別するのか、について説明した。また、それ以前では、如何にして色法(rūpa)を識別するのか、についての説明をした。

もし、あなたが、すでに述べた所の方法で以て、名色法を識別することができるならば、あなたは、それらの因を識別することができ、また、縁起(paṭiccasamuppāda)の識別もできる。縁起とは、過去、現在、未来の三世を貫く所の、因果の運用・作用である。

仏陀は、聴衆の根器に基づいて、縁起を識別する四種類の方法を教えたが、五番目の方法はすなわち、シャーリプトラ尊者が教導し、かつ《無礙解道》(Paṭisambhidāmagga)<注307>に記載されている方法である。

これら多くの方法を、すべて解説するのは、相当の時間を費やすことになるため、我々は、パオ禅林において、禅修行者によって、最も実践されている所の、二種類の方式を説明する。

すなわち、シャーリプトラ尊者の教えた第五法、及び、仏陀が《長部・大因縁経》(Mahānidāna Sutta)と《相応部・因縁品》(Nidānavagga)などの経の中において指導した所の、第一法である。

この二種類の方法は、共に、現在、過去と未来の五蘊(khandha)<注308>を識別するものである。

それらの中の、どれが因で、どれが果であるかを識別しなければならないのである。

あなたが、このレベルの修行を、実践することが出来る様になったならば、更に一歩進んで、経典と義注の中において、教導する所の、縁起を識別するための、その他の方法を学ぶ事も可能である。

<翻訳文責:緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>