如何にして10種類の汚垢(汚れ、汚染)を克服するか
この段階において、あなたが、これらの方法に基づいて修行し、かつ、観智が益々強くなる時、10種類の汚垢(汚れ、汚染、dasa upakkilesa)が生起する可能性がある。
それらは:<注379>
1)光明(obhāsa)。
2)智(ñāṇa)。
3)喜(pīti)。
4)軽安(passaddhi)。
5)楽(sukha)。
6)勝解(adhimokkha)。
7)策励(paggaha)。
8)現起(現象)(念)(upaṭṭhāna)。
9)捨(upekkhā)。
10)欲(nikanti)。
光明と欲を除いて、その他の汚れは、みな、善の法に属し、それ自身は、汚垢ではない。しかし、それらは、不善法の所縁に成り得る(あなたはそれらに執着するかもしれない)。
これが、それらが、「汚垢」と呼ばれる原因である。
もし、あなたが、この10種類の汚垢のどれかを体験したならば、それらの無常・苦・無我を観照することを通して、生じるかも知れない執着と貪欲を克服するべきである。
この様にして初めて、あなたは引き続き、前進することができる。
如何にして壊滅智を育成するか
生滅智を育成した後、あなたは、諸行法の観智に対して、すでに、堅固で純粋であるが故に、次には、壊滅智(Bhaṅga-ñāṇa)を育成する必要がある。
ここまでは、あなたは、ただ諸行法の刹那滅(vaya)と壊滅(bhaṅga)をのみ専注すればよく、行法の生起(uppāda)、行法の住立(ṭhiti)、個別の行法の相(nimitta)を、または行法の因縁転起(pavatta)を見る必要はなかった。
観智の力を借りて、あなたは、諸行法の壊滅をのみ観照し、かつ、それらの無常・苦・無我を覚知する。
1)諸行法の衰壊、敗落と壊滅を観照して、それらの無常を知見する;
2)諸行法が、持続的に壊滅する恐怖を観照して、それらを苦として知見する;
3)諸行法の中において、永恒なる実質はないことを観照して、無我を知見する。
あなたは、名色法の壊滅を無常・苦・無我として観照するだけでなく、また、この様に観ずることのできる観の修習心の壊滅をも、観照しなければならない。
この事は、あなたが先ほど、色法の壊滅を観照し、かつ、それを無常として了知したが、これは、一番目の観の修習心に相当する、ということを意味している。
次に、二番目の観の修習心を用いて、一番目の観の修習心の壊滅を観照し、かつ、それもまた無常であると、了知する。
同様の方法を用いて、名法を感じ、その後に、色法と名法をば、観照して、それらを苦・無我常と了知する。
あなたは、何度も繰り返して、これらの練習を実践しなければならない。内外交替し、過去、現在と未来の色法と名法、因行法と果行法を観照する。
この種の方式に基づいて、持続的に諸行法の壊滅・尽滅、止息を識別する。あなたのその強くて力のある観智は、順序に従って前進して行き、次の六種類の観智へと続いて行く。