南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

翻訳『親知実見』#47-8

あなたは、もう一つの事柄も、覚えておいた方がよいであろう:

彼は、教理(pariyatti)に博通しており、また、実修(paṭipatti)にも精通していて、業処導師(瞑想指導者)(kammaṭṭhānācariya)でありーー多くの阿羅漢が、彼の弟子であったーー法施尊者。

彼は、止観に精通していたが、しかし、内心において、相似した禅修行の体験によって、誤解が生まれることがある。故に、もしあなたが、「私はすでに初禅を証得した」等々と自認するのであれば、あなたは、多くの日数、多くの月日を用いて、徹底的に、あなたの体験を検査しなければならない。

なぜであるか?

もし、それが真正なジャーナと、真正な観智であるならば、それらはあなたに利益を齎し、かつ、あなたが真正な涅槃ーー上座部仏教の中における「浄土」<注401>を証悟するのを支援するであろう。

しかし、虚偽のジャーナと虚偽の観智は、この種の利益を齎すことはない。

あなたは真正なる利益を得たいか、それとも、虚偽の利益を得たいか?

この問題は、各々が、己自身に向かって問うて頂きたい。

こうしたことであるが故に、我々は、あなた方に、「私は初禅を証得した」等々と、他人に対して、急いで告げてはならない、と注意を促す。

というのも、ある種の人々は、あなたを信用しないが故に。

あなたの禅修行の体験は、真正である可能性もあるが、また、虚構である可能性もある。

まさに、大龍大長老の様に。

あなたは、この問題に注意を払わなければならない。

<翻訳文責:緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>