Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

翻訳『親知実見』#51-4

失ってはならない良機(チャンス)

ここにおいて、私は、更に一歩進んで解説をしたいと思う。

五蘊は、すなわち、第一聖諦ーー苦聖諦である。五蘊の中には、色蘊(rūpakkhandha)が含まれる。

色(rūpa)は、異なる類型の色聚(微小な粒子)の方式でもって生起する。異なる類型の色聚を分析する時、合計で、28種類の色法を見ることができる。

この問題に関して考えてみて下さい:

仏陀の教法以外に、どの様な教師、指導者も、これら類型の色法を、また、どの様にそれらを区別するのか、を教えられない。

仏陀とその弟子だけが、これらの類型の色法を識別することができ、かつ、どの様にそれらを区別するのか、を指導することができる。

この他に、五蘊の中においては、四種類の名蘊(nāmakkhandha)が含まれる。結生識、有分と死亡心を除いて、これらの名法は、心路の方式でもって、生起する。

仏陀は、一個の心識刹那(cittakkhaṇdha)の中に、幾つの相応心所(cetasika)と一個の心(citta)が相応するのかを、正確に教導すると同時に、如何にしてそれらを識別し、区分するのか、も教導する。

仏陀の教法を除いて、どの様な教師、指導者もこれらの名法を明晰に掲示し、教導することはできない。というのも、その他の教師、指導者で、それらを完全に理解している人はいないが故に。

しかし、もし、釈迦牟尼仏の弟子が、仏陀の指示に基づいて、精進し、かつ系統的に修行したならば、彼は、これらの名法を、明晰に識別することができる様になる。

これは、仏弟子の特有の機遇(境遇、チャンス)であり、あなた方は、この良機(チャンス)を逃してはならないのである!

<翻訳文責:緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>