南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

翻訳『親知実見』#51-9

七種類のサンガ施

仏陀は、続いて、アーナンダ尊者に説明する:

「アーナンダ。ここに七種類のサンガ施(saṅghikadāna)がある:

〔1〕仏陀をトップとする〔比庫と比庫尼〕の二つのサンガに対して、布施をする事。これが一番目のサンガ施。

〔2〕如来が涅槃した後、〔比庫と比庫尼〕の二つのサンガに対して、布施をする事。これが二番目のサンガ施。

〔3〕比庫サンガに対して布施する事。これが三番目のサンガ施。

〔4〕比庫尼サンガに対して布施する事。これが四番目のサンガ施。

〔5〕『サンガの中から、これだけの比庫、比庫尼を、私に派遣して下さい』と言って、布施をする事。これが五番目のサンガ施。

〔6〕『サンガの中から、これだけの比庫を私に派遣して下さい。』と言って、布施をする事。これが、六番目のサンガ施。

〔7〕『サンガの中から、これだけの比庫尼を私に派遣して下さい。』と言って、布施をする事。これが七番目のサンガ施。

上に述べたものが、七種類のサンガ施である。

仏陀は、引き続いて、個人施とサンガ施とを比較する:

「アーナンダ、未来において、袈裟で襟を作り、無徳で、悪法の多くの種姓が存在するであろう。

あれら無徳の者をサンガだと思って、布施をするならば、アーナンダ、私は言う。その様であっても、当該のサンガ施の功徳は、無数であり、無量である。アーナンダ、私は言う。どの様な場合であっても、個人施がサンガ施より更に大きな果報が齎されるという事は無い」

この意味は、サンガ施(saṅghikadāna)は、個人施(pāṭipuggalika dakkhiṇa)より更に功徳が大きい、という事である。

もし、マハーパジャーパティゴータミーが、袈裟を仏陀を指導者と仰ぐサンガに布施したならば、より多くの、殊勝な功徳を得ることになり、その果報は、数えることができない程であり、量ることができない程である。

故に、仏陀は、彼女に、袈裟をサンガに布施する様に、勧めたのである。

仏陀はまた、布施の四種類の清浄に関しても、説明した。

<翻訳文責:緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>