南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

翻訳『親知実見』#51-10

四種類の布施清浄

「ここに、四種類の布施の清浄がある。どの様な四種類であるか?」

〔1〕布施の行為があり、施主による浄化であって、受者は浄化とは無縁。

〔2〕布施の行為があり、受者による浄化があって、布施者は、浄化とは無縁。

〔3〕布施の行為があり、施主も、受者も、浄化とは無縁。

〔4〕布施の行為があり、施主、受者共に、浄化の因。

〔1〕布施の行為が、施主によって浄化され、受者は無縁というのは、どの様な事であろうか?ここにおいて、施主は、有徳で、善法者で、受者は無徳で、悪法者である。この様な布施は、施主によって浄化され、受者とは無縁である。

〔2〕布施の行為が、受者によって浄化され、施主とは無縁、というのは、どの様な事であろうか?ここにおいて、施主は無徳、悪法者、受者は有徳、善法者である。この様な布施は、受者によって浄化され、施主とは無縁である。

〔3〕布施の行為が、施主が因でもなく、受者が因でもなく、浄化されないのは、どの様な事であろうか?

ここにおいて、施主は無徳、悪法者、受者は無徳、悪法者。この様な布施は、施主とも、受者とも関係なく、浄化されない。

〔4〕布施の行為が、施主と受者共に因となって、浄化されるというのは、どの様に事であろか?ここにおいて、施主は有徳、善法者、受者は有徳、善法者。この様な布施は、施主、受者共に因となって、浄化される。

これが、四種類の布施清浄である。

<翻訳文責:緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>