南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

翻訳『親知実見』#51-14

功徳無量なる布施の六種類の要素

ここにおいて、我々は、もうひとつ別の經文《増支部・六集・六支布施経》(Chaḷaṅgadāna Sutta)を見てみたいと思う。

ある時、仏陀が沙瓦提城の付近のジェータ林給孤独園にいた。当時、ヴェルカンダ(Veḷukaṇḍa)に住む一人の在家仏弟子ナンダマーター(Nandamātā)が、ちょうど食べ物を供養していた。彼女の布施は、六種類の要素を具備していた上に、応供者はシャーリプトラ尊者とマハーモッガラーナ尊者が率いる比庫サンガであった。仏陀は天眼でもって、この布施を見た後、比庫たちに言った:

「比庫たちよ。

ヴェルカンダのナンダマーター近事女は、シャーリプトラとマハーモッガラーナが率いる比庫サンガに、六支の具備した布施を行った。

比庫たちよ。

六支の具備した布施とは、何であるか?

ここにおいて、比庫たちよ。

施主に三支、受者に三支ある。

何が施主の三支であるか?

ここにおいて、比庫たちよ。

〔1〕施主には、布施をする前に、喜悦がある。

〔2〕布施をする時、心に歓喜がある。

〔3〕布施をした後、満足の心がある。

これが、施主の三支である。

何が、受者の三支であるか?

ここにおいて、比庫たちよ。

〔1〕受者は、すでに、貪を離れている。または、貪を調伏して、道を行じている。

〔2〕すでに、瞋恚を離れている。または、瞋恚を調伏して、道を行じている。

〔3〕すでに、痴を離れている。または、痴を調伏して、道を行じている。

これらが、受者の三支である。」

合計、六種類の要素がある。

もし、布施において、この六種類の要素が具足してあるならば、それは、無量で崇高な果報を齎すであろう。

<翻訳文責:緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>