那先比丘は、以下の様に言う:
「陛下、私はあなたに、この寺院にはどの様にして来たのか、と問うた。
あなたは、馬車に乗って来たと答えた。
私はまた問うた。馬は馬車であるか?あなたは違う!と答えた。
馬の幌は馬車かと問うた。あなたは違う!と答えた。
これも違う、あれも違う。
しかし、あなたは私に、馬車に乗って来たのだ、と言う。あなたは、身分の高い一国の君主であるが、では、なぜ、私に嘘をつくのであるか?」
ミリンダ王は答える。
「違うのです!尊者。このいくつかの部品が組み合わさって初めて、馬車となるのです。」
「よい、よい。とてもよい!では、私、那先尊者もまた、五蘊によって構成されているをもって、初めて那先尊者と呼ぶ事ができるのです。」
こうして、国王は引き続き反駁する、という事が出来なくなり、尊敬の念を込めて、五体投地をした。
これより以後、彼は那先比丘を宮殿に招いて仏法の研究を行い、二人の対話は、後に《ミランダ王問経》として結実した。
この経は、研鑽・研究に値する経典であり、通常(のレベルにおいて)、我々にとって、理解しがたい問題が、この経の中において解説されている。
(2-21につづく)
★句読点は中国語原文を優先尊重。
<願以此功徳、早日証得涅槃楽>
<緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/
Paññādhika Sayalay 般若精舎>