Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

般若の独り言~政治の話

虹君を連れて散歩していましたら、近所の人に出会いました。

つい、政治の話になって

「中国悪い。中国に虐められる、台湾かわいそう。」

という話になりましたが、私は、話はそれほど単純ではない、と考えています。

私は日本生まれの台湾人で(現在72歳)、できれば台湾は独立してほしいと思う組ですが、中国を一方的に責める気にもなれませせん(中国政府による、少数民族へのいじめは即刻やめてほしいとは思っています)。

中国と、もとは中国の領土だった台湾の関係が、これほどこじれてしまったのは、清朝時代に、台湾が日本の植民地になった事、第二次世界大戦の終盤、蒋介石が台湾に逃げ込んだ事、その蒋介石を、アメリカがかばった事、その後アメリカが台湾(中華民国)を捨てて、中華人民共和国を承認した事等々が、複雑に絡み合っていて、台湾への同情だけでは、問題は解決しないでしょう。

私は若い時に、中国でも、台湾でも、働いたことがありますが(通訳として)、台湾は、中国へ向けて、自国の産品(特に半導体関係)が売れなくなったら、中国から物資が入ってこなくなったら、大変に困るに違いありません。

それを、アメリカや日本が肩代わりしてくれるでしょうか?

Noでありましょう。

表面的な正義感だけで、政治が動いているわけではありません。

中国を批判するアメリカ、虐められているはずの台湾でさえも、その国のセレブ階級の人々、大資本家たちは、ちゃっかり中国で、金儲けさせてもらっているのです(私は通訳をしながら、その闇の部分を、垣間見ました)。

そして、庶民は、そのセレブ階級の <おこぼれ>を 

<おこぼれ> とも知らず、もらって喜んでいる

(庶民は、<おこぼれ> を貰わなければ生きていけない、私も同じです)。

私は政治に興味がありません。

政治で人を救えるとしても、それは一時的、表層的なものだからです(それを軽視、嘲笑したりはしませんが)。

シッダッタ太子は、悟りを得た後、母国へ帰って国王になる事を拒否し、ガンジス河流域で遊行・説法し、出家者を受け入れ、仏教サンガを育てました。

政治(善政)で国を栄えさせたとしても、それは一時の事、うたかたの夢である事を、太子(ゴータマ仏陀)は、知っていたからです。

正等正覚を得たゴータマ仏陀の教え、<無常・苦・無我>を知って、涅槃体験をする、輪廻から離脱する・・・

これが苦界で泣く人生の、一番の解決方法だと、私は思っています。

   <緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/

     Paññādhika Sayalay 般若精舎>