Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-10)

この問題は、現代人だけが抱えているものでは、ない。

仏陀の時代、中部(Majjhima Nikāya)に(以下の様な話が記載されている、それは)、

サティ(沙帝)という名の比丘がいて、彼は友人に以下の様に言った:

「ずっと長い間、輪廻の中で漂泊し続けているのは、この一個の心である。」

彼は、聞くもの、見るもの、食べるもの、それは皆、一個の我(私)、一個の心、同じ一個の心が、輪廻の中で漂泊しているのだ、と言う。

彼の同参道友は:

「おい!君は、この様に言ってはならない。仏陀はその様には話されてはいない。」

と言う。

しかし、サティ比丘は、なおも主張を変えようとせず、

「絶対にこの様なのだ!

輪廻の中で漂泊し続けているのは、同じ一つの心なのだ。」

と言い張った。

我々にも、この様な考え方は、ないだろうか?

もし、そうであるならば、仏陀に叱責されるであろう。

同参道友は、彼を説得できかねて、仏陀に報告した。

仏陀は言った:

「そうですか!

ならば、あなたは、彼に、ここに来る様に言いなさい。」

(3-11につづく)

★句読点は中国語原文を優先尊重。

<願以此功徳、早日証得涅槃楽>

   <緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/

    Paññādhika Sayalay 般若精舎