ラーフラ(Rāhula)王子と、ナンダ(Nanda)王子は、自発的に剃髪得度したのではなく、強制的に出家させられたのである;
如来が、二か国間の戦争を平和的に調整した事に感謝して、釈迦国(Sakya)とコーリヤー国(Koliyā)の市民は、500人の青年を送ってきて得度させた。
これらの人々の中において、一人として、信心(=仏法への信頼と確信)があって、剃髪得度した者はいない。
しかし、彼らの心に、仏法が根付く事によって、すべての人々が、阿羅漢を証悟したのである。
仏教文献の中において、他に、その他の例が記載されている。
幾つかの、信心を伴わないし、かつ、輪廻に幻滅を感じたことがない人であっても、阿羅漢果を証悟している(例がある);
あれら、輪廻に対して幻滅を感じていて、非常に強力な信心によって、出家した人の中においても、横道に逸れてしまう人は、いる。
優秀な僧人を育成したいのであれば、我々は、剃髪得度する前の行状で篩にかけることは出来ず、ただ、法子の心の中において、仏法を建立せしめる事によって、それを実現するより他、方法は、ないのである。
(5-18につづく)
<願以此法布施功徳、早日証得涅槃楽>