南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-114)(私家版)

では、喜と楽の区別とは何か?

喜とは、この似相を好む事を言い、楽とは、似相を体験する時の楽受、または楽しさを言う。

ちょうど、疲れていて、また、喉が渇いている旅人が、水の音を聞いて、喜ぶ時に生じるのが、喜である。

そして、水を飲むときに体験する楽しさを、楽と言う。

二者は、それぞれ、異なる事柄である。

我々には五蘊があるーー色、受、想、行、識。

喜は行蘊であり、楽は受蘊である。

この楽・一境性具第四禅善心について、ゴータマ仏陀は、世間的五欲の楽を超越するものであり、世間的に最も楽しい事柄でさえも、四禅の楽には敵わない、と言う。

思惟の楽もまた、一種の情緒的作用である。

故に、禅修行者は、楽を取り除こうと決意し、再度定力を向上させれば、捨・一境性具第五禅善心に到達する事ができる。

(3-115につづく)

<願以此法布施功徳、早日証得涅槃楽>