南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-148)(私家版)

これこそが、果心の作用である。

例えば、ある人が、体に火が着いたとして、熱くてたまらない。この時、清涼な水をバケツ一杯、彼に向けて浴びせたならば、彼は、炎の中から解脱する事ができた、と思い、非常な清涼を感じるであろう。

火とは、煩悩であり、清涼な水は、道心であり、解脱して清涼を味わう感受が、果心である。

ソータパナ道心は、長い輪廻の内、唯一、一回のみ生起する事ができる。というのも、煩悩が断じ除かれた後、再び断じる必要がないが故に、ソータパナ道心を、再度生起せしめる必要がないのである。

しかし、果心は、何度も生起する。

例えば、ソータパナ聖者が、涅槃の寂静を享受したい時、ソータパナ果定に入る必要がある。

この時(ソータパナ聖者には)、非常に多くの果定が生起して、涅槃の寂静を体験するのである。

(3-149につづく)

<願以此法布施功徳、早日証得涅槃楽>