★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(16-21)(私家版)
如来は、この様な比喩を通して、夫妻が、如何にして、貪欲と驕慢を離れたのかを、説明する。食べ物を受用する目的は、唯一、沙漠を通りぬける為だけ、である。
僧人が、信施の、または他の方式によって得た食物は、以下の様に省察・思考しなければならない。
”食べ物のおいしさに貪着してはならない。
明日の為に、少しばかり貯蔵しておこうとして、貪欲になってはいけない。
未来においてもまた、同じ様な、おいしい食べ物が手に入る様にと、貪着してはならない。
他人が同じ様な美食にあずかれないからと言って、驕慢になってはならない。
食事の為に、貪欲が生じたり、嫉妬が生じたりしてはならない。
食事が粗末だからと言って、憂慮する感情が生じてはならない。
食事がおいしくても、おいしくなくても、ただただ、平等心でもって、食事を取るのは、ただ、身体と生命の存続の為である、と思惟する。”
(16-22につづく)
<願以此法布施功徳、早日証得涅槃楽>