翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(4-60)(私家版)
キリスト教は、この種の見解を保持するが、インド教(ヒンズー教)もまた同様である。
インド教は、大梵天がこの世界全体と一切の有情を創造したのだと考え、その為に、大梵天を非常に崇拝する。
シャーリプトラ尊者が、将に涅槃しようという時、心の中において、自分の母親を度す必要がある、と考えた。
彼の母親は、七人の子供を産んだが、全員阿羅漢になった。
しかし、彼女自身は、仏教徒ではなく、インド教の教徒で、大梵天を崇拝していた。
シャーリプトラ尊者は、毎回、実家に来て托鉢する時、母親に、聞くに堪えない言葉で、罵倒されたのであった。
シャーリプトラの実家は、裕福であった為、彼女は以下の様に言った。
「我が家には、この様にお金がたくさんあるのに、あなたはなぜ、外に出て托鉢するのか?何の宗派か?何様か?」
シャーリプトラ尊者は、母親に、一度も抗弁することはなかった。
というのも、彼には、すでに、瞋恚の気持ちが、無いが故に。
ただ、彼女がこれ以上の業を造らない様にするため、彼が、自分の実家に行って、乞食托鉢することはなかった。
(4-61につづく)
<願以此法布施功徳、早日証得涅槃楽>