Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

般若の独り言~宗教者の自立

安倍元首相が、凶弾を受けて、亡くなられました。

報道によると、実行犯は、凶行に及んだその理由を

統一教会に家庭を壊された」

「元首相は、教会と関係があると思った」

と述べているそうです。

WEBによると、母親が統一教会の信者で、自宅を売ったりして、多額の献金をした様です。

私は、宗教団体による、寄付(お布施)などの、お金のトラブルに関するニュースを見聞きすると、気持ちが大変に、暗くなります。

ゴータマ仏陀の制定した戒律では、出家の比丘と比丘尼(サヤレーは比丘尼相当)は、生活全般を布施に頼って生きるべきである、としています。

そして、その付帯事項として、

<しかし、在家信者が、布施の為に、すべての財産を差し出すと言う時、比丘と比丘尼はそれを断らなければならない。受け取ってはならない> 

といいます(当該の経典を持っていないので、出典を示せません。あしからず)

私が、テーラワーダ原始仏教)を学び、ゴータマ仏陀の金言を実践するのは、己自身の、完全な人的自立を目指しているからです。

人的自立の中に、

【言われるままにお布施をする】

という条項はありません。

お布施は、自分の出せる範囲、喜んで出せる範囲、出した後で後悔しない範囲・・・

これを《自立・自律的》に《自己責任》において、決定しなければなりません。

宗教団体に、集団催眠を掛けられて、法外な金額のお布施をする者は、その時点で、他者依存の心理が働いています。

真の仏教者の、最も忌みする所です。

追記:伝統的な仏教寺院でも、墓じまい、戒名の授与(注1)などで、金銭的トラブルが起きています。日本の伝統仏教大乗仏教)が、ゴータマ仏陀の原点に帰らないのであれば、新興宗教の暴走を止める事はできないでしょう。五十歩百歩だからです。

注1=死者に戒名を授ける事の滑稽さ・・・

その馬鹿馬鹿しさに、誰も気が付かないさまは、まるで【裸の王様】の様。

(上記の文章は、2022年7月10日時点の、WEB上の報道で知り得た情報に基づきます)

<緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/

Paññādhika Sayalay 般若精舎>