Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

圧力鍋奇譚

一ヶ月ほど前、気候が急に涼しくなりましたので、<シチューが食べたいな>と思いましたが、圧力鍋がありません。      ジャガイモ、人参などの根菜類を速く柔らかくするには、圧力鍋がほしいところ。        実は以前、シ社の白い電気圧力鍋をもつていたのですが、コロナが始まる以前、3年前の秋10月でしたか、台湾から遠く、日本の私の精舎まではるばる、来訪して下さった、台湾人の老サヤレー(緬甸パオ森林僧院にて出家/台湾法雨道場所属)が、それを見て欲しがったので、差し上げてしまいました(中古としての代金は頂きました)。               それで今回あらためて、WEBで検索して、推薦コメントが沢山載っていた、ア社の、二人用圧力鍋を買う事にして、注文、ポチしました。               ところがところが、新しく注文した、やけにスタイリッシュな、黒い電気圧力鍋が届いたので、取説を読みながら、老サヤレーのことを思っていると……ここ一年、彼女からLineが来ないので、体調を心配……まさにその最中に、老サヤレーの訃報が飛び込んできたのです(ラインとfacebook)。                老サヤレーの年齢は聞いていないですが、私より少し上でしようか?                         癌だったそうですが、意識が混濁する可能性のある西洋・麻薬系の鎮痛剤などは一切使用せず、痛みには漢方薬だけで対処し……日頃、修行が進んでいた彼女は、一言も不満を漏らさず、痛みに耐えきって、安らかに旅立ったそうです(老サヤレーと同じく、PaAuk森林僧院の比丘である息子さん、明徳尊者の談話)。                仏陀の教えでは、戒律の第5条において、麻薬、酒類などを摂取してはいけないとありますが、病気の時仕方なく麻薬などを使用するのは、戒律違反ではありません。   ただ、旅立ちの際に、明瞭な意識を保持したい場合、意識の混濁、妄想を引き起こす可能性のある麻薬系の鎮痛剤は、止めた方が良さそうです。              とまれ、老サヤレーは安らかに旅立ったそうですから、必ずや、善趣に向かったことでしよう。                 私も修行精進して、彼女にあやかりたいものだと思います。                         般若精舎 Pannyaーadhika Sayalay