Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

有分捨断(bhavaNgupacceda)

子供の頃に好きだったのが、<刹那生・滅>という言葉。。。                         好き、というより、その言葉の不思議な響きと、【一体全体、何を言っているのかな?大人になったら分かるかな?】                    という、好奇心全開、怖いもの見たさ満開、といった所でしょうか?(色法即ち物質の刹那生・滅と、名法即ち心の刹那生・滅は、瞑想が日々の習慣になり、修行者に心眼が生じれば、観察出来る様になります)                次、青年期に好きになったのが、<無常・苦・無我>。。                  <無我>の本当の意味が分かるまで、結構寄り道して、悪戦苦闘しましたけれど、今は三つセットで、大分、分かる様になりました(<無我(anatta)>は、重層的な意味があるため、〘私はいない〙の直訳一本槍に執着してしまうと、間違えます。中村元博士はanattaは<非我>と訳すのがよいと言っていましたが、一理あります)。                 時は移り、私、もはや前期高齢者と相成りました現在、好きな言葉は、<有分捨断>……                  その定義は、有分心(=西洋心理学で言うところの潜在意識)が、外部・外界の強い刺激(音、香り、色彩など)を受けて、有分心の対象であったところの、【前世において死ぬ間際に取った対象】を捨棄して、心が、今現在の刺激・対象に向かうこと………ですが      

これら(有分動揺、有分捨断、有分転向などの作用)が分かれば、人生の意味や、輪廻(刹那輪廻と段生輪廻)のカラクリ・謎が解けて、心が安らかになるのではないかな、と思っています。。。                尤も、有分捨断は、余程深く瞑想しなければ観察・体得することの出来ない、心の最深層の心理作用です。                    【脳が主役】などと主張する脳科学者が、この壁を超えるのは難しいかと思います。。                 追記:Nは n の上に<・>付き。