南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

『智慧の光』(6-1/2)<K氏依頼分>

第六章:四護衛業処            個人を対象にした慈心ジーャナ……………………              今夜は、四種の護衛の業処の解説をする。即ち、慈心の修習(注31)、仏随念、不浄の修習及び死随念である。慈心を修習したいならば、先に、どの様な種類の人間が禅修行の対象として相応しいか、又はどの様な種類の人間が、禅修行の対象として相応しくないかを、知る必要がある。ただ一人の人を禅修行の対象とする時、決して異性を対象にしてはならない。故に、女性の禅修行者ならば、ただ一人の男性を慈心の修習の対象にしてはならない。同じく、男性の禅修行者も又、ただ一人の女性を慈心の修習の対象にしてはならない。もし、ただ一人の異性を対象にして修習するならば、貪欲(rãga)が生起して、禅の修行の障害になるであろう。しかしながら、慈心の遍満を修習する時、例えば、一切の有情、一切の有息者、一切の男性、一切の女性等に慈愛を散布する(sabbe sttã,sabbe pã@ã, sabbe purisā, sabbā itthiyo……ママ)のであるならば、この場合は、異性を内に含んでも問題はない。。。          これ以外に、死者も又慈心の修習の対象にしてはならない。と言うのも、これではジーャナを証得する事が出来ないが故に。慈心の修習を始めたばかりの頃、ある種の人々は、禅の修行の対象としては相応しくないものがある。即ち、一、あなたにとって、極めて親しい人。と言うのも、この場合は、感傷的(注32)になってしまうが故に。二、その人に対して、あなたは好感も悪感情も持たない時。と言うのも、この段階においては、この種の人を対象にすると修行に困難が伴う為。三、あなたが嫌っている人。と言うのも、修行の初期段階で、嫌いな人に慈心の生じせしめる事は容易ではない為。 故に、始まりの段階では、あなたは先に己自身に慈愛を散布し、その後に一人の、あなたが敬愛し、かつ、同性であり、かつ生きた人物を、慈心を修習する為の主要な対象とするのが適切である。。         ★願以此功徳、早日証得涅槃楽!