南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

『智慧の光』(8-3/4/5)<K氏依頼分>

(原稿P17)義注では、如何にして慈心の熟練を練るかという事について、以下の様な提言がある:農夫が田畑を耕す時、彼は先に真ん中の小さな花土地から耕す。その後に、徐々に、少しずつ、耕す面積を広げて行き、最後に田畑全体を整地する。                 …………同じ様に、先に、近くの衆生に向けて、五種の無制限遍満慈と、七種の無制限遍満慈を育成する。その後に、徐々に範囲を拡大していく。例えば:まずは、一基の寺院の範囲内で始め、当該の範囲内の12組の衆生を、禅修行の対象にする。この12組の中で、先に“無制限遍満慈“に属する前五組を禅修行の対象にするのである。白遍第四禅の光で、寺院全体を照らし、当該の範囲内の衆生が見れる様にする:天神、動物、人類及び悪道の衆生を含む所の、当該の範囲内の地底の中に向けて見るのである。もし、地獄の衆生が存在するならば、彼らも含まれる様にし、光で以て、彼らを照らす。その後に、彼らに対して慈愛を散布さする。例えば:“一切の有情に仇敵のない様に願う。“等で、第三禅を証得する様に修習する。あなたがすでに限界を突破している為、この時点では、非常に容易に慈心ジャーナを証得する事ができる。“仇敵がない様に“の方式で以て、第三禅まで修したならば、次に、逐一、“内心の痛苦がない様に。““身体上の痛苦がない様に。“及び “愉快に、己を大切に、己を尊重する様に“という三種の方式によって、第三禅まで修する。あなたは必ず、逐一、四種の方式で以て:一切の有情、一切の有息者、一切の生物、一切の個人及び一切の生命有る者に、慈愛を散布しなければならない。この様にして育成された慈愛は“無制限慈“と呼ばれる。というのもそれは、指定された衆生を以て、禅修行の対象とはしていない故に。この五組を成功裏に修行したならば、更に一歩進んで、七種の制限付き遍満慈を修習する:一切の女性、一切の男性、一切の聖者、一切の凡夫、一切の天神、一切の人、一切の悪道の衆生。これには、一切の阿修羅、餓鬼、動物及び地獄の衆生を含むものとする。逐一、上に述べた四種の方式で以て、第三禅を証得するまで、彼らに慈愛を散布する。五種の無制限遍満慈と七種の制限付き遍満慈に関して、一つの種類毎に、慈愛を散布する四個の方式がある。故に、この寺院の範囲内の衆生に対して、合計、48個の慈愛の散布方式がある事になる。この様にして、修行が成功したならば、あなたは範囲を二、又は三基の寺院(この寺院の近くには他の寺院も存在する)に拡大し、同じく48種の方式で以て、慈愛を散布する。成功したならば、次には、範囲を徐々に、一つの村、二つの村、一つの町、二つの町、三個の町等と範囲を拡大して行く。その後に、国家全体、地球全体、31界(cakkavãeaママ)から無辺世界(ananta cakkavãeaママ)まで広げていく。一組の31界は即ち、一個の世界を構成するものであり、そして、世界は無数にあるのである。故に、48種の方式を用いて、慈愛を無辺の世界に散布しなければならないのである。…………    ………………………………………★願以此功徳、早日証得涅槃楽!