(原稿P19)【第七章:四界分別観】………… ……………………………………………………“推進“(の作用)識別の始め………… 一、全身の頭部から足までの、12種の性質を非常に明確に識別出来る様になったならば、あなたは以下の順序に従って、それらを、再三再四識別しなければならない。己に対して、この様に実践できた事に満足したならば、あなたは最初に説明した所の順序に従って、あらためて修行しなければならない。即ち、硬さ、粗さ、重さ、柔らかさ、滑らかさ、軽さ、流動性、粘着性、熱さ、冷たさ、支持性、推進性である。この様な順序で、頭部から足まで、逐一、一つ一つの性質を、あなたが相当の速さで、一分内でおおよそ三回転して、識別出来る様になるまで、識別の訓練をする。…………諸々の界のバランス………………………………………… この様に修行している時、ある種の禅修行者は、諸々の界に関して、バランスを失ってしまう事がある。ある種の界は、過剰に強化されて、人は耐え難くなってしまう。特に、硬さ、熱さと推進性において。もし、この様な状況が発生したならば、あなたは、比較的多くの注意力を、過剰に強化された界の、その対立する方の性質に向け、かつ、引き続き、定力を育成する。この様にすれば諸々の界はバランスする事が出来る。これが、何故、先に12種の性質を教え導かねばならないか、の回答である。諸々の界がバランスした時、比較的容易に定力を育成する事が出来る。相対的な性質とは:硬さと柔らかさ、粗さと滑らかさ、重さと軽さ、流動性と粘着性、熱さと冷たさ、支持性と推進性である。もし、それぞれの一対の、その中の一つの性質が過剰に強い時、相対する性質に多くの注意を払うのがよい。例えば、流動性の性質が過剰である時、粘着性に対して多めに注意を払う。支持性の性質が過剰に強い時、推進性に対して多めに注意を払うのである。今、あなたはすでに身体全体の12種の性質を識別する事に熟練した。それらが明晰になった時、そしてそれらが同時に顕現する様であれば、あなたは、それらを地、水、火、風の四組として観ずる様にする。あなたは六種の性質をまとめて“地界“として識別しなければならない。その時同時に、流動性と粘着性を“水界“として識別する。次に熱さと冷たさを、“火界“、支持性と推進性を“風界“として識別する。あなたは引き続き、それらを地、水、火、風として識別を継続し、心をして平静にさせ、定力を獲得する様にする。不断に何度も重ねて100回、1000回ないしは百万回修習する。