南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

『智慧の光』(11-1/2/3)<K氏依頼分>

(原稿P19)【第七章:四界分別観】…………  ……………………………………………………“推進“(の作用)識別の始め…………    一、全身の頭部から足までの、12種の性質を非常に明確に識別出来る様になったならば、あなたは以下の順序に従って、それらを、再三再四識別しなければならない。己に対して、この様に実践できた事に満足したならば、あなたは最初に説明した所の順序に従って、あらためて修行しなければならない。即ち、硬さ、粗さ、重さ、柔らかさ、滑らかさ、軽さ、流動性、粘着性、熱さ、冷たさ、支持性、推進性である。この様な順序で、頭部から足まで、逐一、一つ一つの性質を、あなたが相当の速さで、一分内でおおよそ三回転して、識別出来る様になるまで、識別の訓練をする。…………諸々の界のバランス…………………………………………       この様に修行している時、ある種の禅修行者は、諸々の界に関して、バランスを失ってしまう事がある。ある種の界は、過剰に強化されて、人は耐え難くなってしまう。特に、硬さ、熱さと推進性において。もし、この様な状況が発生したならば、あなたは、比較的多くの注意力を、過剰に強化された界の、その対立する方の性質に向け、かつ、引き続き、定力を育成する。この様にすれば諸々の界はバランスする事が出来る。これが、何故、先に12種の性質を教え導かねばならないか、の回答である。諸々の界がバランスした時、比較的容易に定力を育成する事が出来る。相対的な性質とは:硬さと柔らかさ、粗さと滑らかさ、重さと軽さ、流動性と粘着性、熱さと冷たさ、支持性と推進性である。もし、それぞれの一対の、その中の一つの性質が過剰に強い時、相対する性質に多くの注意を払うのがよい。例えば、流動性の性質が過剰である時、粘着性に対して多めに注意を払う。支持性の性質が過剰に強い時、推進性に対して多めに注意を払うのである。今、あなたはすでに身体全体の12種の性質を識別する事に熟練した。それらが明晰になった時、そしてそれらが同時に顕現する様であれば、あなたは、それらを地、水、火、風の四組として観ずる様にする。あなたは六種の性質をまとめて“地界“として識別しなければならない。その時同時に、流動性と粘着性を“水界“として識別する。次に熱さと冷たさを、“火界“、支持性と推進性を“風界“として識別する。あなたは引き続き、それらを地、水、火、風として識別を継続し、心をして平静にさせ、定力を獲得する様にする。不断に何度も重ねて100回、1000回ないしは百万回修習する。