問1-8:行禅とは何ですか?たとえば、歩くときには、どの速度が一番良いですか?ゆっくり、中くらい、それとも速く?行禅の時、我々は何を「想」えばよいですか?
私は初心者です。
禅師に、初心者が定力を育成することに対するアドバイスをお願いします。
答1-8:四種類の明覚(sampajana)がある:
一、有義明覚(sātthaka sampajana)ーー何が利益であり、何が利益のないことであるかを、明確に知っている。
二、適宜明覚(sappaya sampajana)ーー何が適切で、何が適切でないかを、明確に知っている。
三、行処明覚(gocara sampanaja)ーーどのような姿勢においても、己が用いている修行方法について、明確に知っている。
四、不迷惑明覚(asammoha sampajana)ーー観智でもって、究極的な名色法を明確に知っている事。すなわち、観禅。
前の二種類の明覚は、禅の修行ではなく、第四番目の明覚は、まさに観禅である。ゆえに、あなたが止禅を修習したいのであれば、第三番目の明覚を修行していることになる。あなたは、一切の姿勢、すなわち:行、住、坐、臥の中で、禅の修習の法門に専注しなければならない。
もし、あなたがあなたの最大の努力を尽くすことができ、一切の姿勢の内に、禅の修習の法門に専注するならば、あなたの定力は、進歩する。
《清浄道論》の中で、定覚支を高めるのに助けになる方法が、11種類書かれている:
一、清潔を保つーーあなたは、あなたの身体、爪、衣服等を清潔に保たなければならない。
二、相において巧みである事ーーあなたは、己の修行している法門の予備相、取相及び似相を知ることに巧みでなければならない。
たとえば:安般念の禅相、地遍の禅相等;
三、五根のバランス:
四、適宜な心の抑制ーーあなたの択法覚支、精進覚支と喜覚支が強すぎるとき、あなたは、あなたの心の抑制しなければならないし、かつ、軽安覚支、定覚支と捨覚支を促進することに重点を置かなければならない。
五、適宜な策励心ーーあなたの軽安覚支、定覚支と捨覚支があまりに強い時、あなたはあなたの心を引き立て、かつ、択法覚支、精進覚支と喜覚支の促進に重点をおかなければならない。
六、信心(=確信)と悚懼智(=畏れの智慧)でもって、元気のない、萎れた心を激励する。
七、平等・捨心でもって、因果の応報の事柄を見る。
八、心的散乱者との往来を避ける。
九、常に、禅定のある者と往来する。
十、禅定と解脱の利益を思惟する。
十一、心を禅定修行に傾倒、向かわせる。
あなたは上述した方法を用いて、あなたの定力を上昇させることができる。
(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。(つづく)
★誤字脱字を発見された方は、当コメント欄
にてご一報頂くか、または<菩提樹文庫>
まで。ご協力、よろしくお願いいたします。
<パオ・セヤドー講述「菩提資糧」1999年中国語版→日本語訳出
翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>