諸般の事情により、翻訳はお休みします。
『智慧の光』(13-11)<K氏依頼分>最終回!
【要点】諸々の因の識別を開始したばかりの禅修行者は、この心路過程を識別するのに困難を覚える。このことが原因で、彼は名、色、因と果の諸々の行法の相、作用、現起と近因を識別した後で、それらを識別してもよい。この心路過程において、意門心路過程は状況に従って再び生起する事がある。禅修行者は、これら意門心路過程の中の、一つ一つの心識刹那五蘊の因果関係を識別する方法は、法所縁グループの意門心路過程の因果関係を識別するのと、同じである事を知る必要がある。…………………………… 諸々の根が具足した後、五門心路過程は、この一期の生命の状況に基づいて生起する。以下では、色彩所縁グループの因果関係を識別する方法を列挙する。母親の食べた食物が胎内に輸送されると、食生色は生起し始める事ができる。この事から、有分五蘊の因果関係を識別する方法を再度列挙した。この時、有分心が依存する所の六種の色聚(心臓の中にある)、即ち、54種の色法は、色蘊である。(非真実色法は、状況に従って、その中に含まれる。それらは、状況に従って識別される。)。 ★★★(『智慧の光』<K氏依頼分>)の翻訳は、これにて完了です。…………………………………………………………………… ★願以此功徳、早日証得涅槃楽!…………………………………………………………………………緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属 Paññādhika Sayalay (般若精舎)
『智慧の光』(13-5/6)<K氏依頼分>
意門転向識蘊には、二個の現在因がある:1.名色は因、識蘊は果。(ここにおいて、“名“とは11の心所を指す。“色“とは依処色と所縁色を指す。)。2.有分意触(34)は因、識蘊は果。欲貪には速行(欲貪清明速行)の中の五蘊が有る。1.色蘊は心臓の中にある依処色(5=46)である。2.受蘊は、速行の中の受。3.想運転は速行の中の想。4.行蘊は速行の中の思(1番目の解説法)又はその他の心所(二番目の解説法)。5.識蘊は速行の中の識。。………… 注:これらの欲貪に速行名法が含まれるの為、それは貪見名法である。それらは、20/19/22/21個の名法である。第二番目の解説法では、行蘊は17/16/19/18となる。欲貪に速行色蘊がある事を識別する方法は、意門転向色蘊の場合と同じである。…………………………………………………… 欲貪には速行受蘊が存在する:1.依処(5=46)は因。受蘊は果。2.目標(新しい生命)は因、受蘊は果。3.A.有分意触(34)は因。受蘊は果。B.速行意触(20ー受=19)は因。受蘊は果。4.不如理作意(12)は因。受蘊は果。………………………………………… 注:ここで言う不如理作意(ayoniso manasikāra)は、“女性の生命がある“、又は“男性の生命がある“と錯誤を伴ってその事に注意を払う事を言う。もし、新しく獲得した生命を、“名色“とか“因果“または“無常“、“苦“、“無我“と識知するならば、それは正しいもので、如理作意である。この様に識知しない、又は作意しないで、所縁をば“女性の生命“又は“男性の生命“として注意を払うならば、それは即ち、不如理作意である。…………………………………………………………………………注意を払うべきは:それは欲貪を擁する速行の前に生起した所の、意門転向である事。言い換えれば、如理作意と呼ばれるか、又は不如理作意と呼ばれるものは、意門転向名法の中の勝解心所である。ここにおいて、それは勝解の錯誤により、“女性の生命“とか“男性の生命“とかがある、と決めた事である。勝解が、単独で生起する事が出来ず、相応する法と共に、同時に生起する必要がある為、故に、以下の事柄に注意を払って頂きたい:不如理作意は、ここでは、全ての、12の名法(勝解と全ての相応の法)を指しているものである。不如理作意は、不善速行を引き起こす近因となる。…………………………………………………………………………★願以此功徳、早日証得涅槃楽!
『智慧の光』(13-7/8/9/10)<K氏依頼分>
欲貪有速行想蘊:1.依処(5=46)は因。想蘊は果。2.目標(新しい生命)は因。想蘊は果。3.A.有分意触(34)は因。想蘊は果。B.速行意触(20ー想=19)は因。想蘊は果。4.不如理作意(12)は因。想蘊は果。………………………………………… 欲貪有速行行蘊(思:1番目の解説法。)1.依処(5=46)は因。行蘊は果。2.目標(新しい生命)は因。行蘊は果。3.A.有分意触(34)は因。行蘊は果。B..速行意触(20ー思=19)は因り行蘊は果。4.不如理作意(12)は因。行蘊は果。。…………………………………………………………… 欲貪有速行行蘊(残りの17の心所:二番目の解説法。(1)、(2)、(3A)と(4)は、一番目の解説法と同じである。3B、その他の三個の名蘊は因、行蘊は果。…………………………………………………………………………欲貪有速行識蘊:1.有分意触(34)は因。識蘊は果。2.名色は因。識蘊は果。3.不如理作意(12)は因。識蘊は果。“名“とは、相応する19個の心所を指す。“色“は依処色と所縁色を指す。二番目の欲貪有速行受蘊:1.依処(=46)は因。受蘊は果。2.目標(新しい生命)は因。受蘊は果。3.A.有分意触(34)は因。受蘊は果。
B.一番目の速行意触(20)は因。受蘊は果。C.二番目の速行意触(20ー受=19)は因。受蘊は果。4.不如理作意(12)は因。受蘊は果。。………………………………………… 注:前に生じた速行が、後に生じる速行を支援する。言い換えれば即ち、前生心は無間縁力で以て、後生心を支援するのである。故に、一番目の速行は二番目の速行の因(3B)とされる。その他の名蘊と速行心についても、同様である事を知らねばならない。。……………………………… ★願以此功徳、早日証得涅槃楽!
『智慧の光』(13-3/4)<K氏依頼分>
他にもう一点説明する。意門転向(12)名法の中にも、触が有る。それは意門転向意触である。唯一、触をば、目標としている所の、新しい生命と識を一つに連結する時にのみ、意門転向名法は生起する。(引き続き解説する分析法もまた同様である。) 故に、列挙した触は、二種ある。有分意触は、無間縁(anantara)であり、意門転向意触は、具生、相互、依止等の縁(sahajãta, a@ama@a, ママ nissaya etc)である。今“触“だけを問題にしているが、しかし、それは触が、一番顕著な名法の組み合わせてあるが故である事を、知っておかねばならない。意門転向名法(12)の中の受(果)を取り除くならば、この他の11個の名法は、即ち、意門転向意触である。(Yampida@manosamphassa paccayā upajjati vedayita@sukha@vā dukkha@ vā adukkamasukha@ vā tampi anicca@……‘)(《燃焼経》āditapariyāya Suta)………………………………………………………………この教えは、《燃焼経》と、“触が生起するが故に、受が生起する“(Phassa samudayā vedanā samudayo)等の教えと一致する。…………………………………………………… 意門転向想蘊には、三個の現在因がある:1.依処(5=46)は因。想蘊は果。2.目標(新しい生命)は因。想蘊は果。3.A有分意触(34)は因、想蘊は果。.B.意門転向意触は因(12ー想=11)、想蘊は果。意門転向行蘊(思=第1番目の解説方法)は三個の現在因。1.依処(5=46)は因、行蘊は果。2.目標(新しい生命)は因。行蘊は果。3.A有分意触(34)は因、行蘊は果。B意門転向意触(12ー思=11)は因、行蘊は果。意門転向行蘊(9名法=第二解説法)三個の現在因。(3A)までと1番目の解説法は同じである。3B、その他の三個の名蘊は因、行蘊は果。。
『智慧の光』(13-1/2)<K氏依頼分>
【意門転向受蘊】(意門の名法への転向は、ただの唯作心であり、果報名法ではない。故に、過去因によって引き起こされる訳ではない。意門の名法への転向には、過去因はなく、ただ現在因があるのみである事に注意する事。)………………………………三個の現在因がある:………………………………1.依処(5種の色聚、46種の色法。)は因、受蘊は果。…………………………………………2.目標(新しい生命を目標に取る)は因、受蘊は果。……………………………………………………3.A.有分の意触。(bhavaigamanodamphassa,34)は因、受蘊は果。………………………………………………………………B.有分の意触への転向(manodvārāvsjkana manodamphassa,11)は因、受蘊は果。 ………… 解説:1.依処(vatthu):心所依処に依存した状況の下でしか、受蘊は生起しない。この時、食生色が未だ生起できないが為に、食生色聚は存在しない。ただ46種の色法があるのみ。…………………………………………2.目標:もし女性であるならば、それは新しい女性の生命を目標に取る。もし男性であるならば、新しい男性の生命を目標に取る。それは、目標としての新しい生命を感受する。……………………………………………………3.触:唯一、目標としての新しい生命が有分心(即ち、意門)に出現する時、有分心は停止して、意門転向が生起する。そうでなければ、その新しい生命を省察、確定する意門転向は生起する事ができない。又、触を最も顕著な有分意触(bhavaigaママ manosamphassa)名法は、その目標において、有分に衝撃した後、波動し、又、停止する(それらは、有分波動(bhavaiga ママcalana)と有分断(bhavaigupscchedaママ)である。)。これら、有分名法が停止して後、初めて、意門転向名法は生起する事が出来る。言い換えれば、有分名法が去れば、意門によって支援された転向が生起する。これは即ち、無間断(支援)縁(anantara)である。故に、有分意触も又、意門転向名法(意門転向受蘊を含む)の生起を支援するのである。以上の事柄は、とりも直さず、有分意触(34)が、又意門転向受蘊である事の因であるのである。★願以此功徳、早日証得涅槃楽!