南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

2016-09-01から1ヶ月間の記事一覧

是誰庵のひとやすみ~どんな風に生きても・・・

先ほど、マドモアゼル愛さんという方のブログ を読みました。ラジオで人生相談もされている有名人ですが、ブログ上では、モノより意識が大事という主張をされている、フェミニストの男性。占星術もされる。 彼が言うには「資本主義社会は、所有社会で、個々…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-198

問5-3: 限定虚空遍禅と空無辺処定は、どのように 異なりますか? なぜ、前者は色界定なのですか? 限定虚空遍禅を修行すると、どういう利益がありますか? 答5-3: 限定虚空遍禅を修行するとき、修行者は、空間を直接知覚する; 空無辺処定を修行するとき…

是誰庵のひとやすみ~あなたに仏教は必要か

ミャンマーのクムダ・セヤドーの下で、二度目の出家を果たしてもうすぐ満二年になります。 家(庵)で寛ぐときは作務衣を着たり、庭仕事の時はツナギを着たりしますが、出かけるときはミャンマーのsayalay(尼僧)の正装をします。 ここは小さな田舎町なので…

是誰庵のひとやすみ~良寛さんの禅

私は、良寛さんも一休さんも好きですが、今日は良寛さんのお話。 彼は越後に戻って以降、五合庵で、極貧の生活を過ごしていましたが、子供と一緒に遊ぶのが大好きな人だったそうです。 その良寛さんに「焚くほどに風がもてくる落ち葉かな」という句がありま…

是誰庵のひとやすみ~達磨大師の禅

もうだいぶ以前の話ですが、台湾で仏教系の映画を見たことがあります。 昔の事ゆえ、映画の題名は忘れましたが、内容は覚えていて、主役は、インドから中国へやってきて禅を伝えた、達磨大師。 映画の始まりは、達磨大師が嵩山少林寺に来て、少林寺の僧侶た…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-197

<問答五> 問5-1: 仏陀と上首(=上席)弟子が般涅槃する時、初禅から非想非非想処定を修して、次にその逆順に初禅まで戻り、また第四禅まで修して後、般涅槃した、というのは本当でしょうか? 仏陀と阿羅漢は、般涅槃したあと、もう(+二度と)後有を受…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-196

問4-18: もし、すでに安般念を修行して、第四禅に到達しているならば、慈心観を修習しないで、直接、悲心観を修習して、初禅を得ることはできますか? 同じ理屈で、慈心観、悲心観を修習しないで、直接、喜心観を修習するか、または慈、悲、喜心観を修習し…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-195

問4-14: 人は言います: 「人が死ぬ時、生きた亀が甲羅を抜け出すようだ」と。 では、死後、期限を切った時間の中で、臓器を献体するのは、菩薩道なのでしょうか? 捨心が足りないのにこういうことをするならば、善趣に往生する事に影響しませんか? 生前…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-194

問4-11: 有る時、座禅・瞑想していて、心内の思いがきわめて迅速に生じ、かつ滅するのを察知することができました。しかし、その思いが善であるか、悪であるかを見極めることができませんでした。これは、どのような心法に属しますか? 答4-11: あなた自…

是誰庵のひとやすみ~夢と嘔吐

ニサルガダッタ・マハラジの「I AM THAT」 を読んでいる。 彼は、ラマナ・マハルシの弟子だ。 日常生活では、ブログに載せる 仏教書の翻訳を優先しているので、 どうしても 「I AM THAT」は 後回しになってしまい・・・ で、<秋の夜長に、これを読破しよう…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-193

問4-8: 南伝の比丘は、輪廻における生死の流転の中で必要とされる福報を、どのようにして、育成するのでしょうか? 中国では「今生において道を究めなければ、 (+来世において)毛むくじゃら、角の生えた(+動物に)なって、借りを返さなければならない…

「修心与神通」(翻訳文)~13-7

(9)すでに加行究極果を得て境地を作意し、また心身は出離することができ、各種の意身に分化すことができ、心に何等の煩悩もないのに、しかし「究極定相」ができない(+人がいる)。 究極定相とは何か? 己自身が己自身に対して、完璧に主人になることが…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-192

問4-6: 夢は、何の心識に属しますか? ちょうど寝ようとしているとき、すなわち、いまだ入眠していないとき、短い夢を見るのはなぜですか? また夢が終わると、すぐ目が覚めるのはなぜですか? それは、「日有所思、夜有所夢(=昼間思う事柄が、夜夢にな…

是誰庵のひとやすみ~長空不礙飛白雲

中国の禅僧、石頭が言う: 「長空不礙飛白雲」 では、なぜ、彼は 「晴空不礙飛白雲」 (青空に白い雲はつきもの、雲が 飛んでも、不思議はない) と言わなかったのか? <長空>が肝ですね。 ヒントとしては、 中国人は、空は、kong1声 とも、kong4声とも読…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-191

(問4-3、内容重複につき省略) 問4-4: ある老比丘尼が、自分自身を禅の修行者だと言い、よく信者に、禅の修行中に鬼(=亡霊・幽霊、以下同様)が彼女の所へ来る、と言います。 禅師にお尋ねします。 禅の修行者は、どれほどのレベルに到達したならば、鬼…

是誰庵のひとやすみ~漢文クイズ―2

<漢文クイズ-1>に続いて、 アーチャン・チャーの著書に 挟まれていた<栞>から: <勇敢直覚的面対 用心誠意的接受 冷静客観的処理 超然爽快的放下 自然清心的生活> ヒント:四行目<放下>は、手放す、空ずる事。 <為他人設想 自己没煩悩 無我又為人…

是誰庵のひとやすみ~漢文クイズ-1

秋の夜長、ブログに何か書きたいような、 でもネタがない・・・。 タイの大長老アーチャン・チャー(遷化)の 著書「生活の仏法」(中国語版)を見て いたら(なんとなく眺めていたら)、 裏表紙にこんな文章が・・・。 頭の体操、ナゾナゾどうぞ。 仏言: …

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-190

<問答四> 問4-1: ある老比丘尼は、信者にこう言います: あなたが癌になったのは、多くの劫において恨みを買ったため、あなたの敵があなたにまとわりついているからです。 あなたは30万台湾ドルを出しなさい。 そうすれば、私が、息災超度の儀式をしてあ…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-189

問3-13: ある老比丘尼が、よく信者にこう言います: 「あなたが以前に堕胎した嬰児が、いまあなたについて回っています。あなたが累劫に積み重ねた(+不善のために、あなたを)恨んでいる者、仇討をしたいと思っている者が、あなたについて回っていて、あ…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-188

問3-12: こういうことを言う人がいます: 禅の修行を始める前、先に福徳を累積しておかねばならない。そうでなければ、多くの困難に出会う。このことは真実でしょうか? 答3-12: もし、ここで言う「福徳」が、過去世において行った福徳の行いを意味するの…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-187

問3-11: 仏陀はチューラパンダカに「掃除、掃除」と念ずるように教え、結果、彼は阿羅漢果を証悟しました。これはどういう理屈でしょうか?「掃除」が、彼の業処ですか?ただ「掃除」と唱えるだけで、四禅八定を修し、初果から四果まで証悟することはでき…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)~186-2

彼が仏陀に言われた通りに、布を何度かこすると、布は汚れ始めた。彼は引き続きこすり続けて、そのため、布は増々汚れていき、雑巾のようになった。 彼の智慧が、熟する時が来た。 消失と壊滅の法則が彼の心の中で生起し、彼は内心で思惟した: 「この布は、…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)~186-1

問3-9: 仏陀は、菩提樹の下で仏位に証入し、同時に阿羅漢になりました。 彼は初果(=ヨルカ、ソータパナ)の証悟から始めて、四果(=阿羅漢)まで行く、という方法を取る必要が、ありませんでした。 仏陀の弟子の中で、前の三つの果位を証悟しなくても、…

是誰庵のひとやすみ~五蓋とジャーナ

9月16日の、Tさん宅の仏教雑談会で「五蓋があるとジャーナに入れないですか?」という質問がありました。 私は「あっても入れます」と回答したのですが、以下の事を補足します。 「あっても入れる」というのは、普段、日常生活において、昏沈・睡眠、浮つき…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-185

問3-7: ある一人の比丘が、還俗の儀式をした後、 今なお、比丘だと自称している。 禅師にお伺いします。 すでに還俗した比丘に対して、在家居士が供養をした場合、その功徳はどのようなものでしょうか? このような自称比丘が、他人を出家得度させ、または…

是誰庵のひとやすみ~次の翻訳予定

現在翻訳中の <パオ・セヤドー講述「菩提資糧」> は、余すところ 60P ほどになりました。 上記翻訳終了後、引き続き、パオ・セヤドー の著書(「顕正法蔵」)を訳そうと 思っていましたが、先に 「南伝仏教・在家居士・須知(=ハンドブック) その1」を…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-184

問3-4: 禅師にお訊ねします。己自身が有分心に落ちた ことを、どのようにして検分しますか? 有分に落ちないようにするには、どうしたらいいですか? 答3-4: 二つの心路過程の間には、多くの有分心が生起しては、滅している。 たとえば、今この現在、あな…

「修心与神通」(翻訳文)~13-5

(6)四加行作意を修する: 「作意」とは、意識的に何か一つの境地を作り出す事である。 第六識がいまだしっかりと形成されていない、または、ある種の境地に到達していない、心の境地が専一でない時、止が得られることはないし、定も得られることがない。 …

「修心与神通」(翻訳文)~13-4

(5)手抜きを狙う: 仏陀の開示した経、教えた法について、(+怠け者は)時間をかけて分析、研究し、悟りを開こうと(+いう努力を)しない; 睡眠が好きで、手抜きして出来合いを求め、一撃で成就しようとする。一回念仏すれば、即身成仏、一回呪文を唱…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-183

<問答三> 問3-1: 禅師は、開示の中で、我々の菩薩が過去世において、獅子王として生まれた時、ウサギが睡眠中に落ちてきた木の実に驚き、世界の末日がきたと思い込んで、森林のすべての野獣を恐怖に陥れたことがあります。 獅子王が一つひとつ追跡して調…