Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

是誰庵のひとやすみ~良寛さんの禅

私は、良寛さんも一休さんも好きですが、今日は良寛さんのお話。

彼は越後に戻って以降、五合庵で、極貧の生活を過ごしていましたが、子供と一緒に遊ぶのが大好きな人だったそうです。

その良寛さんに「焚くほどに風がもてくる落ち葉かな」という句があります。

この句は、一茶の「焚くほどに風がくれたる落ち葉かな」の本歌取りなのだそうです(良寛さんは、一茶を批判している訳)。

良寛さんは、風に期待していない、自然体なんですね、ただし肝の座った自然体。捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ高瀬舟、と通底している心と言いますか。

コップの中の黄砂(黄粉のように、非常に細かい)を鎮める手段はただ一つ、コップに手を突っ込まず、コップを揺らさず、砂自身が静まるのに任して、ただ待つのが一番早い。

人間関係が悪くなったら、相手に下手な言い訳をしないで(火に油を注ぐから)、忍の一字で、お互いの感情が沈静化するのを待つのが、関係回復には、一番早い。

すべての欲望に近づかず、自然にやってくるものに満足しているのが、結局は(+心も、それに相応する外部環境も)一番安定しているのだ・・・(「I AM THAT」より)。

そんな訳で、人生はパラドクスだなぁ、と私はいつも思っている次第。