南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

2016-05-01から1ヶ月間の記事一覧

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-36

無恨思惟~ もし、比丘が、ある人またはすべての有情に、ジャーナに入るまで、 慈愛を散布しつづける事ができるなら、その慈心はすなわち、 最高の無恨思惟である。 慈心とは、一切の有情に、幸福と楽しさをもたらすよう、希望する ものであるから、それは、…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-35

出離思惟~ 出離思惟とは何か? 1、出家して、サーマネラか、または比丘になりたいという思いは、 出離思惟である。というのも、それは世俗の生活から離脱する道で あるから。 2、初禅:もし、比丘が初禅を証することができたなら、その初禅は、 出離思惟…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-34

経の中で、仏陀は引き続き、下記のように語った。 「反之、他下定決心:『我当説与消除貪欲有関、有助於解脱心、 能導向厭離、離欲、滅尽、寂静、上等智、菩提与涅槃的言語、 即那是: 1、小欲論(appiccha-kathā) 2、知足論(santuṭṭhi-kathā) 3、離群…

是誰庵のひとやすみ~創価学会のタブー

本日早朝、インターネットを見ていたら<創価学会のタブー>という 記事がありました。 石原さとみという女優さんが、東京メトロの車中で放送されるCMに 出ていて、東京下町の神社の一角にある食べ物屋さんで、何か食べて いるという設定らしいですが(私は…

是誰庵のひとやすみ~年寄りの冷や水

私はこれまで一度も、携帯電話を持ったことがない(仕事でポケット ベルを持たされた事はある)。外を歩いている最中に携帯が鳴って、 それにあわてて出るのが嫌だったから(私は好奇心旺盛で、携帯が 鳴ると、出ずにいられない)。 仕事もリタイアしたし、…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-33

<談事情是否是如此>は、ある種の、全く意義のない原因を持ち 出して、未来は存在するか、または未来は存在しないか、 と論ずる事。 ここで言う「存在」または「有」は永恒を意味し、「不存在」 または「無有」は、壊滅を意味する:「存在」は増長、発展で…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-32

<談死人>は、すでに亡くなった親戚の話をする事。この定義の中には、 生きている親戚も含む。 <談瑣砕事>は、上述の色々な例に含まない、まったく意味のない会話。 <談世界的起源>とは、「世間論者」、詭弁家の言論、及び「世界は 誰が造ったのか?そ…

是誰庵のひとやすみ~正念正知

今日はちょっと嬉しい出来事が・・・。 午後、雨の中を、いつもの水中運動(温泉プール)に行くと、 顔見知りの男性から「あなた、何か運動されているの?」と 聞かれました。 私「いや~、運動神経ゼロの運動音痴です」 男性「でも、姿勢もいいし、水中で歩…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-31

親戚等について、もし、楽欲を満足させるために、「我々の親戚は 勇敢で、有能だ」または「以前、我々はこのような乗り物に乗って、 あちらこちら遊びに行った」と言うのであれば、不適切である。 しかし、(+話す言葉に)意義があるように(+配慮して)、…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-30

引き続き、仏陀は説明する: 「比丘如此安住時、若其心傾向於説話、他下定決心不説這些話。 它們是什麽呢?這些話低劣、可厭、粗俗、卑鄙、無益、及不能 導向厭離、離欲、滅尽、寂静、上等智、菩提、与涅槃: 這些話是談王、盗賊、大臣、軍隊、危難、戦争、…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-29

「比丘如此安住時、若其心傾向於行走、他即行走、心想: 『当我如此走著時、没有貪婪及憂愁不善悪法会困擾我。』 如是、他対該(過程)擁有完全的明覚。比丘如此安住時、 若其心傾向於站立、他即站立・・・若其心傾向於坐、 他即坐・・・若其心傾向於躺臥、…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-28

成就の獲得~ 「当時、該比丘応如以前一般再向内穏固其心、令之寧静、 専一及専注於該相同的定之相。然後、他向内観照空。 当他向内観照空時、其心向内入住於空、獲得信心、穏定与 勝解。如是、他如此覚知:『当我向内観照空時、 我的心向内入住於空、獲得信…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-27

基礎禅~ 「当時、該比丘応如之前一般再向内穏固其心、令之寧静、専一及専注 於該相同的定之相。」 「如之前一般再向内穏固其心、令之寧静、専一及専注於該相同的 定之相。」とは、観禅の基礎となるジャーナの事を指している。 これは、自分自身の、未だ十分…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-26

内空と外空~ 「然後、他向内観照空。当他向内観照空時、其心不能向内入住 於空、不能獲得信心、穏定与勝解。如是、他如此覚知: 『当我向内観照空時、我的心不能向内入住於空、不能獲得信心、 穏定与勝解。』如此他対該(過程)擁有完全的明覚。 他向外観照…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-25

三相~ ある比丘は、修行の開始において、諸行法をば、無常と観照する。 しかし、聖道は、ただ無常を観照したからといって、生起または 出現することはない。というのも、苦と無我も観照しなければ ならないからである。 故に、彼は、それらを苦、無我として…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-24

道の生起または出現を導く観智~ この教えでは、ある人々は、初めに、内行法または五蘊を識別する。 それらを識別した後、次に彼は、それらを無常・苦・無我として 観照する。しかし、聖道は、ただ内(行法)を観照しただけでは 生起したり、出現したりしな…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-23

解説~ 註疏では、「内空」を自分自身の五蘊の空、「外空」を他人の 五蘊の空と解説している。ここで言う空とは、内外の五蘊を 観照してそれを無我と知り、このようにして修習された観禅 によって、暫定的に到達された心解脱の事を言う。 無我を観照する観智…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-22

五禅支~ 五禅支とは: 1)尋(vitakka):心を安般似相に向かわせ、そこにおいて安定させる。 2)伺(vicāra):心をして引き続き、安般似相に注意を向けさせる。 3)喜(pīti):似相を好ましく思う事。 4)楽(sukha):似相を体験しているときの楽受…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-21

近行定の段階では、諸禅支が未だ相当に弱い為、有分心が非常に 頻繁に生起する。しかし、安止定の段階になると、諸禅支は、 ジャーナを一定時間維持できるほどに、強くなる。 ここで言う有分心とは何か? 《アビダンマ論》に基づいて簡単に説明すると、心は…

是誰庵のひとやすみ~舛添都知事の蓄財術

今、舛添都知事が、豪華な外遊から端を発して、別荘への往復 その他、公私混同の極みで、アワヤ辞任という所まで、 追い詰められています。 彼は以前、某雑誌に「私の蓄財術」というのを載せているのです が・・・小型成金ならだれでも考えそうな事・・・60…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-20

四禅~~ 安般念(略)~ (「智慧の光」(菩提樹文庫HP所蔵)参照の事)。 三種の禅相~ もし、あなたが鼻孔の周囲にぴったりと張り付いた禅相に、一時間以上 専注することができるようなら、あなたの定力は上昇し、禅相もまた 徐々に変化する。 通常、(+…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-19

三相~ 名色を分別し、また、それらの因を識別した後、止行者と純観行者の 両者は、共に、諸々の行法の三相を観照しなければならない。 すなわち:壊滅する故に無常である;不断に、生滅する、逼迫の厄を 受けるが故に苦である;在世、相続及び刹那の三つの…

是誰庵のひとやすみ~端渓の蓮硯

一月前の熊本大分地震で、我が家も大いに揺れて、家中 埃だらけ。もうすぐ次男が所用でやってくるので、 家の大掃除をと思い立ち・・・。 それで、30年前に中国の端渓で買った硯、一つは友人に 譲り、後2個あるはずだけど・・・と探してみたら、 箪笥の引出…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-18

基礎禅~ 仏陀はここにおいて、四色禅を観智の基礎とする方法を 教えている。 パーリ系仏教の伝承では、二種類の、異なる観を修する行道が ある、と言う。 その内の一つは、止行道(samatha-yānika)で、この行道は、 先に止禅を、近行定または安止定まで修…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-17

空へ向かう道~ 空に安住するのは、静かで、殊勝な事である。 (仏陀はこう言う:) 「所以、阿難、若比丘立願:『願我進入与安住於内空』、 他即応向内穏固其心、令之寧静、専一及専注。」 上記の法話の意義は何か? もし、比丘が涅槃を縁とし、それを目標…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-16

仏陀が聴衆に向かって仏法を開示する時、彼の心は、群れを離れ、 隠居(=独居)する傾向、及び涅槃へ向かう傾向があった。 彼は、必ず、人々が(=早めに)解散するようなやり方で、仏法を 開示した。故に、仏陀はよくこう言う「皆さん、帰ってよろしい」。…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-15

空~ (什麼是)一切相(sabbanimittānaṁ): 名色を、相又は行(saṅkhāra)と言う。仏陀が阿羅漢果定に入った時、 生じた阿羅漢果心は無名無色の涅槃を縁とし、その目標とした。 その中には、全くもって、名色の相ーー色彩等々はない。この安住は、 如来が…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-14

仏陀が発見した安住~ その後、仏陀は引き続き、大空の修習について開示した: 「然而、阿難、於此有如来所発現的安住:通過不作意一切相 而進入及安住於内空。若如来如此安住時、諸比丘或比丘尼。 衆男居士或女居士、諸王或大臣、衆外道或他們前来見他、 那…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-13

随後、仏陀継続開示:「阿難、我没有看到任何一種変易的色法 不会導致貪恋及耽楽於它的人感到愁、悲、苦、憂、悩。」 上記の(=仏陀の)開示の意味は: 群体を楽しむ者は、特別の素質を成就する事ができないと 指摘した後、仏陀は言う:「アーナンダ、私は…

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-12

不可動揺(akuppa):動揺しない、とはどういう事か? それは、煩悩の影響を受けて動揺しない、と言う意味である。 ここで言われている事は、何を意味するのか? 群体(=共同生活)を楽しみ、また社群の結によって束縛されて いる比丘は、世間又は出世間的…