南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

『智慧の光』(13-5/6)<K氏依頼分>

意門転向識蘊には、二個の現在因がある:1.名色は因、識蘊は果。(ここにおいて、“名“とは11の心所を指す。“色“とは依処色と所縁色を指す。)。2.有分意触(34)は因、識蘊は果。欲貪には速行(欲貪清明速行)の中の五蘊が有る。1.色蘊は心臓の中にある依処色(5=46)である。2.受蘊は、速行の中の受。3.想運転は速行の中の想。4.行蘊は速行の中の思(1番目の解説法)又はその他の心所(二番目の解説法)。5.識蘊は速行の中の識。。…………             注:これらの欲貪に速行名法が含まれるの為、それは貪見名法である。それらは、20/19/22/21個の名法である。第二番目の解説法では、行蘊は17/16/19/18となる。欲貪に速行色蘊がある事を識別する方法は、意門転向色蘊の場合と同じである。……………………………………………………   欲貪には速行受蘊が存在する:1.依処(5=46)は因。受蘊は果。2.目標(新しい生命)は因、受蘊は果。3.A.有分意触(34)は因。受蘊は果。B.速行意触(20ー受=19)は因。受蘊は果。4.不如理作意(12)は因。受蘊は果。…………………………………………      注:ここで言う不如理作意(ayoniso manasikāra)は、“女性の生命がある“、又は“男性の生命がある“と錯誤を伴ってその事に注意を払う事を言う。もし、新しく獲得した生命を、“名色“とか“因果“または“無常“、“苦“、“無我“と識知するならば、それは正しいもので、如理作意である。この様に識知しない、又は作意しないで、所縁をば“女性の生命“又は“男性の生命“として注意を払うならば、それは即ち、不如理作意である。…………………………………………………………………………注意を払うべきは:それは欲貪を擁する速行の前に生起した所の、意門転向である事。言い換えれば、如理作意と呼ばれるか、又は不如理作意と呼ばれるものは、意門転向名法の中の勝解心所である。ここにおいて、それは勝解の錯誤により、“女性の生命“とか“男性の生命“とかがある、と決めた事である。勝解が、単独で生起する事が出来ず、相応する法と共に、同時に生起する必要がある為、故に、以下の事柄に注意を払って頂きたい:不如理作意は、ここでは、全ての、12の名法(勝解と全ての相応の法)を指しているものである。不如理作意は、不善速行を引き起こす近因となる。…………………………………………………………………………★願以此功徳、早日証得涅槃楽!