Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

2021-10-01から1ヶ月間の記事一覧

般若の独り言~無我の境地

先日、老人向け体操教室で、こんな事を聞かれました。 Aさん 「尼僧さん(サヤレー)は、毎日、瞑想をするそうですが、<無我の境地> ってどんなものですか?」 私 「我々は、『無我の境地』(忘我の境地)になりたくて、瞑想する訳ではありません。 それと正…

『親知実見』が<菩提樹文庫>にUPされました!

原始仏教、アビダンマ、 パオ・メソッド、 《清浄之道=清浄道論》 がお好きな方々へ 本日、<菩提樹文庫>管理人様より、以下の、ご連絡が入りました。 過日、私が翻訳(中→日)して、当ブログにて、順次、公開してきました 『親知実見』(パオ・サヤドー著…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-42)(私家版)

もし、この男性が、恋敵と己の恋人、二人が親密そうに、一緒にいるのを見た時、最初はそれほど憤慨しなかったものの、しかし、その他の友人が、以下の様に言うとしたら: 「あなたの恋敵は、あなたの恋人と非常に親しい。あなたは、何らかの行動を起こさなけ…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-41)(私家版)

憂具瞋恚相応の心には、邪見はない。 というのも、邪見の因は、貪であり、故に、邪見は、貪とのみ、相応し、瞋恚とは相応しないが故に。 ここで言う瞋恚とは、心の反撃、心の反抗、排斥及び破壊を言う。 無行は、唆しを受けたか、または、扇動を受けたか、で…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-39)(私家版)

以下に、二つの例を挙げる: もし、あなが(レストランに行って)、業報の事を考えず、主動的、自発的に、大いなるグルメを享受したとする。 その時、あなたの心に生起するのは、どの様な心であろうか? それは、「悦具邪見相応無行一心」である。 あなたは…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-38)(私家版)

6、捨具邪見相応有行一心: これは <5>と似ている。異なる所は、この心は、唆しを受けたか、または、己自身によって、再三考慮した後、なした業である事。 7、捨具邪見不相応無行一心: 盗む時は、平捨の心を持ち、邪見は持たない。 (これを)なぜ、不善…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-40)(私家版)

お詫び: <3-38>と<3-39>を飛ばしてしまいました。 追って補てんします。 2、瞋恨心(2) 瞋恨心は二種類ある: 1、憂具瞋恚相応無行一心 2、憂具瞋恚相応有行一心 上記に関する受は、憂しかない。 それは喜でもなく、捨でもない。 怒っている時、あな…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-37)(私家版)

5、捨具邪見相応無行一心: 偸盗は無罪であると思う男の子は、中捨の心でもって、主動的に、八百屋さんから、一個のリンゴを偸盗した。 この時の(心の)違いは、彼の受にある。 この時の偸盗において、彼には、喜ばしい気持ちはなく、平捨(平らかな気持ち…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-36)(私家版)

3、悦具邪見不相応無行一心: この心は、<1>とよく似ている。彼は、非常に楽しげに、主動的に、八百屋さんから、一個のリンゴを偸盗した。 違いは、邪見を含まない事である。 彼には、(その時)邪見はなかった。 4、悦具邪見不相応有行一心: この心は、<3…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-35)(私家版)

2、悦具邪見相応有行一心: 偸盗は無罪であると思っている男の子が、友達の唆しによって、喜んで、八百屋さんで、リンゴを一個盗んだ。 悦具、邪見相応は、<1> と同じ。 友達の唆しを受けて後、偸盗を働いた点を、有行、と言う。 二つの例を比較すると、無行…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-34)(私家版)

1、悦具邪見相応無行一心: 偸盗は無罪であると思っている小さな男の子が、とても楽しそうに、主動的に、八百屋さんから、一個のリンゴを盗んだ。 この小さな男の子は、偸盗は無罪であると思っているが、これを邪見相応と言う; 彼は(偸盗を)楽しんでいる…

アビダンマがお好きな方へ

当ブログにおきまして、2021年9月14日より、 中国語で書かれました 《実用アビダンマ》 の日本語訳の公開が、始まりました。 以下、情報をお知らせします。 1)当該の書籍は、中国語で、合計400ページ弱あります。日本語に訳すると、約 1.5倍 になります。 …

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-33)(私家版)

貪と瞋は、同時に生起する事は出来ない。 というのも、貪の本質は執取であり、それは捉えて離さない事を意味する; しかし、瞋の本質は反抗であり、それは、心による反撃、または破壊、排斥を意味する。 故に、貪は執取、瞋は排斥で、(その性質は)ちょうど…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-32)(私家版)

あなたが悪事をなすとき、実は、初めから自発的に能動的に実践する訳ではなく、先に「なすべきか、なさざるべきか」と考えてから実行する。 これもまた有行である。 これは己自身の心の激励を受けて実践しているものである。この事は、 「己自身から出発する…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-31)(私家版)

3、無行または有行の区別: 「行」とは、多層の意味を有する言葉であるが、ここにおいては、唆し、扇動、惹起、または何らかの方便または方法を採用する事を言う。 無行とは、主動的であり、すなわち、「唆し」(asaṅkhārika)を受けていない事を言う。 有…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-30)(私家版)

三種類の方法でもって、8種類の貪根心を識別する事ができる: 1、相応する受に基づくもの: 悦具であるか、 捨具であるか。 もし、悦具であるならば、それはすなわち、心の楽受であり、悪事を働くときに、楽しんでいるか、それとも、中捨的に悪業をなしてい…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-29)(私家版)

1、貪根心(8) 貪根心は8種類ある: 1、悦具邪見相応無行一心。 2、悦具邪見相応有行一心。 3、悦具邪見不相応無行一心。 4、悦具邪見不相応有行一心。 5、捨具邪見相応無行一心。 6、捨具邪見相応有行一心。 7、捨具邪見不相応無行一心。 8、捨具邪見不相…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-28」)(私家版)

54欲界心 欲界心は、以下の様に分類する事ができる: 不善心(12)、 美心(24)、 無因心(18)。 12種類の不善心 所謂不善心とは、三つの不善の因「貪、瞋、痴」に相応する心である、故に、不善心は、また以下の様に分類する事ができる: 貪根心(8)、 瞋…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-27)(私家版)

3、果報心: 上記の、二種類の善と不善は、業となり、その業によって果報が生じる。 これを果報心と言う。 果報心には、善も不善もなく、業の熟するに従って、生起する心である。純粋に心に関連しているのみであって、身体とは無関係である。 4、唯作心: 業…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-26)(私家版)

1、善心: 善なる因「無貪、無瞋または無貪、無瞋、無痴」と相応する心。 善は、パーリ語では「kusala」と言う。 精神的に健全なもの、道徳的には、叱責されないもの、かつ、愉悦の果報を齎すもの。 2、不善心: 不善なる因「痴、または貪と痴、または瞋と痴…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-25)(私家版)

心の本性による四種類の分類 本性に基づいて、心を四種類に分類する: 善(lusala)、不善(akusala)、 果報(vipāka)、唯作(kiriya)。 善と不善を分別するには、相応する因が、善であるか、または不善であるかに依る。 《アビダンマ論》の中において、6…

般若の独り言~その後の虹君

一気に寒くなりました。 早々に、こたつを出した人もいる様です。 私はこたつアウトです、いったん潜り込んだら出てこれないので・・・。 我が精舎は、薪ストーブと石油ストーブの、両刀使い。 そろそろ準備しなくては、です。 トイプーの 虹君(雄、3歳。保…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-24)(私家版)

3、無色界心: これは、常時、四個の無色界地において、活動する心の事である。 この種の心もまた、欲界地に出現する事がある。 我々が、四禅八定に到達した時、それはすなわち、空無辺処を証得した時であるが、この時、無色界心は生じる。 所謂無色界とは…

翻訳中(中→日)《実用アビダンマ》(3-23)(私家版)

1、欲界心: 欲、すなわち、五欲の楽を享受する事を渇望する事。 欲界心とはすなわち、常時、11個の欲界地で活動する心の事である。 この種の心は、眼、耳、鼻、舌、身等の五欲の楽を享受したいと渇望する。 2、色界心: 常時、16個の色界地において活動する…

『親知実見』の校正と<菩提樹文庫>PDF版について

読者の皆様へ かねて、当ブログで翻訳(中→日)して、公開しました 『親知実見』(注1) の校閲、私の担当分が、完了しました。 これより先、<菩提樹文庫>管理人様により、最終的な校正に入ります。 その後、PDF版として、<菩提樹文庫>より正式に公開さ…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-22)(私家版)

3、四個の無色界地:空無遍処、識無遍処、無所有処、非想非非想処。 界に基づく、心の四種類の分類 所謂界とは、パーリ語では「avacara」と言う。 その意味は、常時、ある種の場所において、活動する心を指す。 界に基づいて、心は、四種類に分類する事がで…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-21)(私家版)

上座部では、菩薩は凡夫であると見做している。 菩薩の境地は、初果阿羅漢に及ばない。 というのも、初果阿羅漢は、すでに、三種類の煩悩を断じているが故に。 菩薩はいまだ、いかなる煩悩も断じてはおらず、故に、菩薩は、今後非常に多くの世において、地獄…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-20)(私家版)

すべての菩薩は、必ず、菩提樹の下で仏陀になる。 一柱の(線)香の内に、菩薩、凡夫から、直接、四果阿羅漢を証悟し、その後に仏果を成就する。 浄居天は、三果阿羅漢の生まれ変わる地である。 これが、菩薩が仏陀になる前、浄居天に行く事ができない理由で…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-19)

その内、最も上部の五つの層、無煩天、無熱天、善現天、善見天、色究極天は、浄居天という。 これは三果阿羅漢だけが行ける場所である。 三果を証したならば、往生の時、浄居天に生まれ出る。 但し、すべての三果阿羅漢が、浄居天に生まれるとは限らない。あ…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-18)

(2)二禅地は3層: 少光天、無量光天、光音天。 もし、禅修行者が、二禅を維持して往生するならば、この内の一つの層に生まれ出る。 (3)三禅地は3層: 少浄天、無量浄天、遍浄天。 もし、禅修行者が、三禅を維持して往生するならば、色界第三禅天の内の、…