南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

2018-01-01から1ヶ月間の記事一覧

是誰庵のひとやすみ~ごまかさな仏教~その2

佐々木閑先生と宮崎哲弥氏の対談本 『ごまかさない仏教』 なかなか面白かったです。 ただ一つ、ちょっと「???」と思う箇所があり、本日、読み直してみましたら、やっぱり「???」でしたので、一言申し上げます・・・ごまかさない為に~笑。 p173、文章…

是誰庵のひとやすみ~怒らない事と偽善

以前、このブログに書いたのですが、私は「怒らない」系の仏教書(人に「怒るな」と諭す本)は読まないです。 あえて読まない。 そんな定番の、道徳のかたまりの本、こちらからは、反論する余地はない(と思われる)。 でも、私には「怒らない」なんて事は出…

是誰庵のひとやすみ~ごまかさない仏教ーその1

佐々木閑先生と宮崎哲弥氏の対談『ごまかさない仏教』を読みました。 なかなか読みごたえがある本だ、と思います。 対談の内容に賛否があるとしても、仏教に関して、自分には何が分かって、何が分かっていないか、<ごまかさない>という態度はとても大事だ…

是誰庵のひとやすみ~捨ててこそ

私の好きな一句。 <捨ててこそ 浮かぶ瀬もあれ 高瀬舟> 人生の危機に会うたなら、<今・ここ>において、何が一番大事か、を考える。 命を懸けて、考える。 お金か? 名誉か? 自己に正直である事か? 人生、何事もケース・バイ・ケースで、お金が最優先の時…

是誰庵のひとやすみ~台湾のパオ

来月の下旬に台湾に行く予定です。 ミャンマーの西方、バングラデッシュの近くにお寺を開いている P尊者(パオ・メソッド指導者)が、台湾嘉義の法雨道場でリトリートを催しますので、それに参加してきます。 台湾には、四種類のパオ関連のお寺があります。 …

是誰庵のひとやすみ~感謝で生きる(翻訳番外編)

<感謝で生きる> 1、私を批判する人に、私は感謝する。 彼は私に、定と智慧を育成してくれた。 2、私に依存する人に、私は感謝する。 彼は私の、能力を高めてくれた。 3、私を捨てた人に、私は感謝する。 彼は私に、自立するように促してくれた。 4、私…

「身念処」2-17

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> ここに、一つの、よいアイデアがある。 修行者は、一日の時間を費やして、一日の内に、何度、またはどれほど多くの挙動・行動が、色身の苦を治する為であるかに、注意を払う。 その結果に関して、相当の人が、驚…

「身念処」2-16

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 修行者は、以下のレベルの「如理作意」を、実践しなければならない: 食べる、飲む、沐浴する、または厠、食器洗い、洗濯などなどの日常的な活動において、たとえば、食べる時、物を食べるのは、ただ苦を治するた…

「身念処」2-15(91/203)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 2-2-2 見解 1)《清浄道論》では、座る色身を観照する事に、熱心に精進するならば、修行者は、非常に早く智慧でもって、心を見ることができる、と述べている。 しかし、(+そのような成果を得るために)身・心…

是誰庵のひとやすみ~イヌとカレー

以前、アチャン・チャーの本を読んでいて、こんな行が、ありました。 「タイのイヌを甘やかしてはならん。ご飯においしいものをつけてやると、もう白いご飯は食べなくなる。カレーをかけてあげないとな、たべないんじゃ」 我が家の愛犬オハナも、病気をした…

「身念処」2-14

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 8)もちろん、我々は、座っている色身など等を、「見た」という事はある。しかし、実際には目を使ってみているのではなく、または各種の異なる姿勢を注視している訳ではなく、身体への覚照は、心ーー正念正知ー…

「身念処」2-13

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> これまで修行した事のない人には、妄想しやすい、という問題がある。そして彼らは、修行が進むと、彼らの中に、妄想したくない、という思いが生まれるーーこれは中道ではない。 初心者は、定を維持するのが大変に…

「身念処」2-12

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 2-2-1 修行の原則 1)心身の両方の所縁を、同時に検査(=点検、確認)してはならない。 例えば「身体が歩いている、心がそれを知っている」など等。 ある種の修行者は、更に多くの所縁(身体と心の両方)を利用…

「身念処」2-11

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 記憶もまた、覚照力を形容することができる(=記憶もまた、覚照力であると言える)。 頭から足までの、色身全体(座っている色身など等)においてーー色身は無知(=知る能力を有しない)、心だけが知ることがで…

「身念処」2-10

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 感覚とは、あなたが座っている様子を(+自分で)感じる事と、それが一個の、<座っている所の色身である>と感じる事を言い、これがまさに正知である。 しかしあなたが「感覚」とう言葉を使う時、注意を払う必要…

「身念処」2-9

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 正念と正知は、同時に運用される。 正しい修行方法とは、「今、私は座っている」の「私は」を取り去り、「現在(+の状態と)は、座っている色身である(=座っているのは私ではなく、色身である)」とする。 上…

是誰庵のひとやすみ~40年分の恩返し

前出の<アチャン・チャーの想い出>にも書きましたが、私は、テラワーダを学んで、40年になります。 その間、色々ありました。 四双八輩が集う四方サンガは、決してバラ色の浄土・天国ではなく、生身の人間同士、争いもあり、その中で暮らせば、人に言えな…

是誰庵のひとやすみ~アチャン・チャーの想い出

私が毎年タイに通って、パーリ・ダンマを学び始めたのは、もうかれこれ40年くらい前でしょうか。 小さい頃から仏教が好きでしたが、子供心になぜか大乗経典が仏説であるとは思えなかった私は、仏法の源流のインドか、またはタイやミャンマーでダンマを学びた…

「身念処」2-8

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> あなたは、自分自身に「誰が座っているのか?」等の問題を問う時、正念・正知(覚照力-注1)は向上して、あなたは「座っているのは色身である」と答える事ができるようになる。 精進、正念、正知の三者が統合さ…

是誰庵のひとやすみ~愚直にコツコツ

今、パオ・メソッドって流行りなんですねぇ。 20年前台湾で、パオ・セヤドーの『智慧之光』を人から手渡された時、「これはすごい!」と思いました。私は長い間ずっと、名色法の無常・苦・無我、刹那生・滅に関する、根本的で、具体的な説明が書いてある本を…

是誰庵のひとやすみ~西の文化と東の文化

私は子供の頃から、人生論とか幸福論とかが好きでした。しかし、西洋の幸福論はいま一つ、自分の胸には、ピンと来ませんでした。 やはり、仏陀のダンマが最高だな、と思います。かと言って、西洋の文化の、どれもこれもダメだ、という事もありません。 ダラ…

「身念処」2-7

翻訳再開しました。 <Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 「如理作意」の具足されている時、我々は、痛みの感受が、身体の姿勢を、また別の姿勢に変更させるのだという事が分かる。 姿勢を変更する時、痛みは、新しい姿勢に追いてくる。「如理作意」…

是誰庵のひとやすみ~嘘をつく罪~2

インド人は、言葉の定義に熱心で、また言葉の定義に関して、非常に深く思考する民族だな、と思います。 彼らは「嘘とは何か?」というテーマで、延々と何時間でも、議論しているのではないか、と思うほどです。 たとえば、「午後、雨が降るよ」と嘘をついた…

是誰庵のひとやすみ~嘘をつく罪

我々が、仏教徒を自称するならば、在家は最低限<在家の5戒>を、出家者は<出家の五戒~227戒(比丘)、350余戒(比丘尼)>を遵守する必要があります。 その中で、在家にとっても、出家にとっても、重要な戒として「嘘をつかない(不妄語)」というのがあ…

是誰庵のひとやすみ~遺骨とお墓

昨日、セーターが一枚、編み上がりました。 以前買っておいた柔らかいアルパカの糸、白黒二本取りで編んだのですが、関東にいる孫の為の、小さなセーターです。お雛様に向けて、つるし飾りを幾つか作って、一緒に送ってあげようと思います。 私には息子が二…

是誰庵のひとやすみ~禅僧の断見

最近、ある所(WEB)で、日本の禅宗の、某著名禅僧が「輪廻はない」と言っているのを耳にしました。 私はよく台湾に出かけ、台湾で出版された中国語の仏教書を手に入れて読みますが、中国・台湾の禅宗の僧侶が「輪廻はない」などと言っているのを聞いた事がな…

是誰庵のひとやすみ~陽の下に新しいものなし

<陽の下に新しいものなし> これはキリスト教で言われる話。 仏教に置き換えると「我々は輪廻していて、いつもいつも、生まれては死にながら、同じ愚行を繰り返している」 私が仕事の為に上京して働いていた若い頃、「こんな会社嫌だ!」と言って何度か転職…

是誰庵のひとやすみ~炎夏飄雪

九州はここ何日か、とても寒く、何度か雪が降りました。 山も丘も、庵の庭も、真っ白です。 この寒さで体調を崩していた愛犬オハナも、10日程薬を飲んで、元気が戻り、いつものように「おやつちょうだい」と、私の背中をトントン叩いてくれるのが、なぜか嬉…

コメント頂いた L さんへ

Lさんへ 私の一文「華麗なる・・・」に、コメントを頂き、ありがとうございます。 L さんのご指摘の件、実は、書いた私自身も、少々気になっていました。 時系列で言いますと <文章をUP → 気になり、数時間後に抹消 → その後に L さんのコメントを拝見> と…

マハーカルナー禅師の矛盾

去年の11月2日にマハーカルナー禅師によるパーラジカ疑惑を発端とした<マハーカルナー法友会>解散事件が起きました為、私は、その事件の当事者の一人であるマハーカルナー禅師に、私のブログにおいて、二つの質問状を提出し、禅師に回答を要請しました。 1…